2003.2.11 sp 第25回本部幹部会 全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ 人類史に輝く平和と哲学の民衆運動 烈々たる「攻撃精神」で勝て ルソー「悪に対して強い」のが真の正義の人 今こそ青年部の本舞台 最高峰を目指せ! 広宣流布の若き英雄!!  一、全国の青年部の皆さん、そして、はるばる海外から来日された皆さま、 きょうは、おめでとう! ご苦労さま! (大拍手) 北海道の皆さん! 九州の皆さん! 四国の皆さん! 東北の皆さん! 信 越、そして北陸の皆さん!  東京、関東の皆さん! 関西の皆さん! 中部の皆さん! 東海道の皆さ ん! 中国の皆さん!  そして沖縄の皆さん! きょうは、よくぞ集まってくださいました! (大 拍手)  〈池田名誉会長の呼びかけに、各地の代表が元気よく返事を〉  本当に凛々しく、若々しい。青年部の姿は、じつに素晴らしい。  これからは、すべて皆さんの舞台である。きょうは青年部の出発の日、おめ でとう! (大拍手) ◇ 女性が全人類の精神を高める  一、きょうは、ブラジルの同志も、遠くから参加してくださった。敬意を表 し、ブラジルの大文豪・アウストレジェジロの言葉を紹介したい。  「女性は偉大なる力であり、活力である。なぜなら、女性こそ、家庭の柱で あるからだ」  家庭こそ、人間の生活の基盤である。家庭をがっちりと守ってこそ、広布の ために戦うこともできる。そして、婦人部をはじめ女性の皆さまは、厳然とそ の根本を担ってくださっている。  女性がしっかりしている家庭は、男性もしっかりする。反対に、男性がしっ かりしていても、女性がしっかりしていないと、両方とも、だめになってしま う場合がある。  女性の力は、あまりにも大きいのである。アウストレジェジロは、続けて言 う。  「すなわち、女性こそ、全人類の人格を形成し、人間を教育し、その精神を 築き上げるのだ」  まったく同感である。広宣流布の前進にあっても、女性の皆さまが、大いな る力を発揮してくださっている。  私は、最大の感謝を込めて、婦人部・女子部の皆さまを賞讃したい(大拍手)。  一、ともあれ、仏法史上、そして人類史上にも輝きわたる、青年部の300 万の広宣流布の若き大連帯、本当におめでとう! (大拍手)  300万人に及ぶ青年が、崇高な思想と、哲学と、深い信仰をもって、この ように麗しい団結をしている団体は、世界にもない。人類の歴史の上から見て も、まことに希有な、すごいことなのである。 ◇ 世界の各地でSGIが輝く!  一、また、海外20カ国・地域から来日された皆さま、ようこそ! 本当に、 ご苦労さま! (大拍手)  とくに、研修会でお越しくださった韓国の皆さま、新本部棟、おめでとう!  〈地上12階、地下5階の本部棟が、まもなくソウルに完成〉  台湾の皆さま、目覚ましい拡大、本当におめでとう!  イタリアの皆さま、新理事長とともに新出発、おめでとう!〈昨年、ナカジ マ理事長が誕生〉  ブラジルの皆さま、新体制、おめでとう!  〈昨年、壮年部長、婦人部長、青年部長、男子部長、女子部長、学生部長が 新任に〉  さらに、オーストラリアの皆さま、テレビでのSGI(創価学会インタナシ ョナル)の素晴らしい紹介、おめでとう!  〈SGIの平和運動を紹介する特集番組「パワー・オブ・チャンティング(題 目の力)」がオーストラリアの国営テレビで放映。大きな反響を呼び、再放映 も行われた〉  ニュージーランドの皆さま、「ガンジー・キング・イケダ」展の大成功、あ りがとう!  〈オークランド、クライストチャーチ、ロトルア、ダニーデン、タウランガ の各都市で開催〉  そして、パラオの皆さま、支部結成1周年、おめでとう! ここにお迎えし たパラオの初代支部長(リソン・ターコンさん)は、社会にあっては大統領特 別顧問として、国家の重責を果たされている女性である。  レメンゲサウ大統領からの素晴らしいメッセージを、きょうの幹部会に携え てきてくださり、心から御礼申し上げたい。  どうか、レメンゲサウ大統領に、くれぐれもよろしくお伝えください。〈名 誉会長は昨年6月、同大統領と東京で会見している〉 50年前、トインビー博士は予見 精神の真空状態が広がる 21世紀に宗教の復興を! ◇ 識者が熟読するトインビー対談  一、1953年(昭和28年)、日本の新聞に寄稿して、"50年後の西暦 2003年の世界は、どう変化しているか"と遠大な展望をしていた大歴史家 がいる。のちに私が対談した、トインビー博士その人である。〈毎日新聞19 53年1月3日付に「50年後の世界21世紀を語る」と題して〉  博士の2003年への展望の焦点は何か。それは「精神の真空状態」が広が る中で、再び宗教運動が興隆していくであろうという点にあった。  その博士が晩年、新世紀の文明をリードしていく力ある宗教として、こよな く期待されたのが、私たち創価学会だったのである(大拍手)。  偉大な世界の学者は正視眼で見ている。博士の透徹した眼が見つめた200 3年の今、学会は、これほどまでに青年が躍動し、これほどまでに世界的な広 がりを持つ団体となった。まさに、博士の予測を創価学会は見事に実証したの である。きっと博士も、「わが意を得たり」と、ほほ笑んでおられることであ ろう。トインビー博士と私の対談集(『21世紀への対話』)は、24の言語 で出版されている。  これまで私がお会いした、世界の多くのリーダーも、この対談集を読んでお られた。チリの民主化の英雄・エイルウィン元大統領、インドの哲人政治家・ ナラヤナン前大統領、インドネシアの精神指導者・ワヒド前大統領、国連のガ リ前事務総長も、愛読してくださっていた。  世界の大学でも、トインビー対談が教科書として使用されてきた。私が名誉 博士号・名誉教授称号等を拝受してきた世界139の大学・学術機関でも、そ の多くが、この対談集を高く評価してくださったようである。 300万の青年の大連対、万歳!! 断じて強く! 幸福の土台を築け アメリカ実践哲学協会会長 自らの信念に生きる勇気を ◇ 大聖人の哲学に世界が注目  一、アメリカ実践哲学協会の会長であり、世界的に著名な哲学者のルー・マ リノフ博士も、トインビー対談に、深い理解と賞讃を寄せてくださった一人で ある。  博士の著作はベストセラーとなり、その著作は40カ国以上で出版されてい る。〈日本では『考える力をつける哲学の本』(三笠書房)として出版〉  博士は、新たに発刊準備を進めている著書で、日蓮大聖人の仏法について論 及してくださっている。間もなくイギリスの大手出版社から発刊される『大い なる問い――哲学はいかにして人生を変えうるか』という研究書である。  このニュースを聞いたイギリスの同志から、さっそく、ぜひ内容を教えてほ しいとの声があった。私がうかがったところでは、この本には、人生の建設の 知恵を与える古今の哲学者として、ソクラテス、プラトン、カント、孔子、さ らには釈尊など、99人が挙げられている。この人類の精神の軌跡に輝く哲学 者として、日蓮大聖人の御名前も、厳然と紹介されているのである(大拍手)。  また、光栄にも、その99人のなかに、私の名前が挙げられているとも、う かがった。現在、生存している人物で選ばれたのは、私のほかに、私もお会い したアメリカの作家ヴィーゼル博士(ノーベル平和賞受賞者)など世界で5人 という。私のことはともあれ、宇宙の英知の結晶である大聖人の大哲学、大仏 法が、このような学問探究の次元においても宣揚されていくことは、本当にう れしい。  世界広宣流布が進んでいる、重要な証明の一つだからである(大拍手)。 ◇ 「日蓮は改革の戦いを挑んだ」  一、マリノフ博士は、大聖人の「哲学の特質」について、「すべての人が、 この一生において仏性を開発することができる」という希望に満ち満ちた教え であると記している。  さらに博士は、大聖人の事績として、「日蓮は、当時の腐敗した既成仏教に 対し、改革の戦いを挑んだ」と述べておられる。我らも挑みたい。戦いたい。 広宣流布は、人間と世界を改革する戦いである。大聖人御自身が、その先頭に 立たれた。  戦わなければ、最高に価値ある人生は生きられない。それでは、むなしい一 生である。戦わない青年、挑戦のない青年は、真の青年とはいえない。  戦おう!〈「ハイ!」と会場から返事が〉  また博士は、「日蓮は、法華経の真髄を南無妙法蓮華経という力強い題目と して表現した。それは仏法の真髄を、一般の民衆の手に取り戻させるものであ った」と、まことに的確な洞察をされている。  そして、こうつづられている。  「ソクラテスやイエス、ルターなどの改革者と同様、日蓮は、権力からの迫 害にさらされた。死罪を危うく免れ、流罪に耐えねばならなかった。しかし、 日蓮仏法は今日、創価学会インタナショナルとして全世界に興隆を遂げている」  これが、世界的な哲学者の認識であることを知っていただきたい(大拍手)。  日本は小さい。  世界に目を向けることだ。世界的視野に立ち、悠然と見おろしながら、この 日本で勝利していっていただきたい。  なお、博士が会長を務めるアメリカ実践哲学協会では、「人間主義の哲学」 の興隆に対する私たちの献身を、高く評価してくださっている。  このほど、私が皆さまを代表して、同協会から「人間哲学貢献賞」を受賞す ることが決まった。ここに謹んで、ご報告申し上げたい(大拍手)。 ◇ 鉄は火に入れて鍛えられる  一、マリノフ博士は、15歳で父を亡くし、不幸にも、二人の弟も亡くされ た。  若くして、大きな悲しみや苦しみを毅然と乗り越え、勝ち越えて、わが人生 をつくり上げてきた方である。それだけに、博士の哲学は、深く、優しく、そ して強い。  人生の哲学をもつ人は強い。仏法の大哲学をもつ皆さまは、強く、また強く 生き抜いていただきたい。マリノフ博士は、こうも語られている。  「私たちは、何があっても、自らが信ずるままに生きる勇気を持たねばなり ません。そうした勇気は、人格の強さから生まれてくるものです」  その通りである。また、勇気こそが、強き「人格」をつくる。勇気と人格は 一体である。  さらに博士は、「人生の困難に直面することは、鉄を火に入れて鍛えるよう なものです。その意味で、私は仏法の"変毒為薬の法理"に、深い真理を見て おります」と述べておられる。本当に慧眼の博士である。  ともあれ、何があっても負けないことだ。  わが青年部は、創価学会の後継ぎである。人類を救う英雄である。  英雄は、負けてはならない。  三世永遠に、どんな困難にも断じて負けない――これが英雄の条件だからだ。  私も、信心して55年、絶対に負けなかった。嫉妬の攻撃にも、全部、勝っ た。  何ものにも壊されない金剛不壊の仏の生命。それを涌現させるのが信心であ る。人間革命である。  青年部の皆さんは、人々の幸福のため、社会の平和と繁栄のために、「哲学 の究極」である仏法を、現実の上で実践している。  これほど崇高な、価値ある青春はない。これほど充実した、最高の人生の道 はない。  皆さんは、全人類の先端を走っている。世界の青年の模範なのである。 ◇ 悪と戦ってこそ自身も幸福に  一、戸田先生は、本当に偉大な師匠であられた。私の青春は、毎日が訓練で あり、毎日が闘争であった。そして毎日が勉強であった。  先生とは、いろいろなことを話した。フランスの思想家ルソーについても語 り合った。  ルソーは、真実の正義の人間とは、悪に対して強い人間であると論じている。 〈「ボルド氏への最後の回答」の注で、ルソーは「正義の人は悪人をけっして 許すことができない」「悪人に対して恐るべき人間になりえないとしたら、ど うして彼は善良な人間でありえようか」(山路昭訳)と記している〉  悪と戦わない人間は、正義ではない。強い人間ではない。ずるい人間である。  戸田先生も「どんなに人柄が良くても、立派そうに見えても、悪に対して弱 い人間、悪と戦わない人間は、結局、正義がない。信念がない。本当の人格が ない。ずる賢い人間だ」と、厳しく喝破しておられた。  幹部であっても、戦うべき時に戦わなければ、福運を消してしまう。仏法は 厳しい。  日蓮仏法の根幹である御義口伝には、「功徳」の意義として「悪を滅するを 功と云い善を生ずるを徳と云うなり」(御書762ページ)と説かれている。 私の好きな一節である。  生命の悪を滅し、善を生ずる――これが「功徳」である。  悪と戦うことが、どれほど素晴らしいか。全部、自分自身をつくり、絶対の 幸福境涯をつくることにつながる。広布のために悪と戦えば、功徳がある。戦 わなければ功徳はない。私のあとに続くのだ――こう大聖人は繰り返し、教え ておられる。創価学会は、大聖人の御聖訓どおりの「広宣流布の団体」であり、 「折伏の団体」である。「最極の人間の結合」なのである(大拍手)。 ◇ 師子王の心で!  一、時代は、ますます乱世である。これは社会の指導者の責任である。だか らこそ民衆が強くなることだ。正義の声をあげることだ。  善悪の基準も乱れている。何が善で、何が悪か、わからない。テレビに出れ ば有名。何か書けば有名。それをもてはやす世間の風潮に流されるだけでは、 底が浅いし、危ない。真実の正しい思想がわからない。  まさに、仏法で説く「闘諍言訟」――「争いや論争が絶えない」悪世末法の 世相である。  流罪された佐渡の地で、大聖人は、こう喝破された。  「畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し」(同9 57ページ)  社会を正しくリードすべき人間が、自分のことしか考えない。相手が強けれ ば媚びへつらい、弱いと見れば脅し、いじめる――今の時代も同じである。情 けない行動基準の日本になってしまったと憂える人は多い。  ゆえに、わが創価の青年よ、「師子王の心」を取り出して、断じて強くなれ!  強くなれ! 徹して賢明であれ! そして勝利せよ! ――こう私は叫びたい。  21世紀の命運を決しゆくのは、わが創価の青年群である。未来は青年に頼 む以外ない。  青年部の諸君は、次なる創価学会の建設へ、全責任を担い立ってもらいたい (大拍手)。 ◇ 臆病にては叶うべからず  一、いかなる迫害があっても、大聖人の大難から見れば、九牛の一毛(取る に足らない小事)にすぎない――とは、牧口初代会長の有名な言葉である。  牧口先生は軍部権力と戦った。投獄されてなお、「大聖人と比べれば、大し たことではない」と達観されていた。これが私どもの師匠である。  大聖人は「日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず」(同1282ページ) と仰せである。  臆病であっては、日蓮門下とはいえない。功徳も出ない。創価学会の栄えあ る青年部ではない。  烈々たる「攻撃精神」――これが学会青年部の伝統である。  私も青年部時代、不当な迫害とは断固、戦った。どんな相手であろうと、一 人、堂々と正義の論陣を張った。  そういう青年部であってもらいたい。  組織で威張って、悪とは戦えない――そんな臆病な、情けない人間に絶対に なってはならない。  「攻撃精神」「破折精神」「折伏精神」こそ、日蓮仏法の真髄であり、創価 学会の魂である。  わが師・戸田先生は、厳然と遺言された。  「嫉妬に狂った中傷批判など、歯牙にもかけるな! しかし、最後は叩きの めせ! クセになるから」と。  この精神を忘れないでいただきたい。青年部の諸君、よろしく頼む!(大拍 手) エベレスト初登攀の栄光は 「早くからの準備」で勝利! 「先入観を捨てて」勝利! 「中心者の執念」で勝利! 「不滅の友情」で勝利! ◇ 茜色に染まるタ暮れのヒマラヤ  一、さて、今年は、地球の最高峰であるエベレストの初登はんより50周年 である。  1953年(昭和28年)の5月29日、その山頂に、初めて人類は立った。  〈イギリス登山隊に参加したヒラリー(ニュージーランド)とシェルパのテ ンジン(ネパール)が初登はんした。  エベレストは、中国名「チョモランマ」、ネパール名「サガルマータ」〉  エベレストといえば、今、この会場(創価国際友好会館)には、私が撮影し たヒマラヤの写真が掲げられている。  夕暮れ時。茜色に染まるヒマラヤの山々と夕餉の煙――ネパール・カトマン ズ郊外の丘で撮った作品である(95年11月3日)。  でこぼこの山道を車で約1時間。ひっくり返るような思いをしながら(笑い)、 やっと目的地に到着すると、早くも夕闇が迫っていた。  陽が沈んでしまえば、撮影はあきらめざるをえない。シャッターチャンスは 数秒しかなかった。私は一気に、何度もシャッターを切った。この時、丘で遊 んでいた子どもたちと交流したことも懐かしい。  〈名誉会長のヒマラヤの写真について、モンゴルの国民的画家ツルテム氏は 言った。「これは『一瞬』を超えた写真です。哲学があり、芸術があり、物語 を紡ぎ出す確かな眼があります。ただ現地に行きさえすれば、このように見る ことができるというものではありません。私もヒマラヤの絵を描いてきました が、こんなふうに描くことは不可能です」〉 ◇ 零下20度の寒さ秒速40メートルの烈風  一、エベレストの登はんが大変な困難であったことは、間違いない。零下2 0度を超す、想像を絶する寒さ。  秒速40メートルに及ぶ烈風。  風は「千頭の虎のように吠えていた」(井上勇訳)――初登頂したテンジン は、こう述懐している。  瞬時の油断も許されない。その極限状態の中、イギリスの登山隊は、雄々し く踏破していったのである。  一、イギリス隊のエベレスト登はんが成功した要因は何であったか?  さまざまな観点から論じられるが、その一つは「早くからの準備」にあった と言われている。  登はんの2ヵ月ほど前からヒマラヤに入り、体を高地に慣らすなど、十分な 訓練を積んだ。  事前の準備が大切である。座談会や折伏に行く場合でも、仕事に行く場合で も、すべて「早く準備した」人が勝つ。  最も大切にして根本の準備は、勤行・唱題である。「絶対に勝つ!」と強く 決意し、御本尊に祈ることが「最高の準備」となる。  祈りもなく、準備もなく、行き当たりばったりで、その場で要領よく戦おう としても、確実な勝利はつかめない。  剣豪・宮本武蔵も、無条件に強いイメージがあるが、そうではない。  有名な佐々木小次郎との「巌流島の決闘」。  この時、武蔵は、"物干竿"と呼ばれる小次郎の長刀よりも、ずっと長い木 刀を用意した(『二天記』による)。勝つために、"きちんと準備した"とい う、とらえ方もできるだろう。  ともあれ、いかなる勝負も、「先んずれば人を制す」である。  自分らしく、全力で、勝利への準備をすることだ。「準備がある人」「勝利 の決意がある人」には、だれ人もかなわない。 ◇ 「あの道は無理」と言われた道を  一、さらに、イギリス隊の勝利は「先入観を捨てた」勝利であったとも言わ れる。  彼らが登った道は、それまで数々の登山隊が、「あの道は無理だ」と避けて きた、非常に険しいコースだった。  しかし、入念な調査の結果、そこに新しい道筋を発見し、勝利への活路を見 いだしたのである。  〈イギリス隊は、「通過不可能」とされていたエベレスト南面のルートを選 んだ。  初登頂したヒラリーは述懐する。  「登ることは出来そうに見えた」「確にそれは難しいルートには相違ないよ うだが、一つのルートであるには違いないと思えたからだ」(松方三郎・島田 巽訳)〉  また、「頂上を必ず極めて見せる」との中心者の断固たる執念が、一貫して 隊員を支えた。  一念三千である。リーダーの「断じて登ってみせる!」との強い精神が隊員 の心に「勇気の炎」をともし続けたのである。  そして、何よりも大きな勝因は「チームワークの良さ」にあった。仲が良か った。がっちり連携が取れていた。  イギリス隊の隊長は、誇りも高く語っている。  「われわれは至高の奮闘を共に分ちあい、壮麗無比な光景を眺め、相互の間 に不滅の友情を築き上げ、その友情の実が熟してこの成果(エベレスト初登頂) となったのを目撃した」(田辺主計・望月達夫訳)  わが創価の青年部の友情も、こうあっていただきたい。友情は永遠の力であ る(大拍手)。 ◇ 最前線の役職を一つ一つ全力で  一、エベレストの初登はんが成し遂げられた当時、私は、弱冠25歳の青年 であった。男子部の第一部隊長として、「広宣流布の山」への登はんを、本格 的に開始した年である。「広宣流布の旗」である第一部隊旗を、戸田先生から 直接、お受けした誉れの歴史を、私は絶対に忘れない。  それから、今年で、ちょうど50年となる(大拍手)。  青年部の皆さんのために、ぜひ申し上げておきたいことがある。  青年時代、私は最前線の地区のリーダーから出発した。初めから名誉会長に なったのではない。一つ一つの学会の役職を、思いっきり戦い抜いてきた。そ れで今の私がある。  私の妻も同じである。女子部の時代から、一歩一歩、真剣に、役職を全うし てきたのである。  皆さんと同じように第一歩から始め、積み上げてきた広布の歴史こそ、私ど も夫婦の最高の誉れである。  苦労せずして、土台ができるわけがない。確固とした土台なくして、本物に はなれない。そこを絶対に、かん違いしてはいけない。  苦労を避け、すぐに偉くなろうとする、ずる賢い人間は、最後は必ず崩れて いくものだ。  信心の世界は皆、平等である。仏法の厳しき因果に一切、差別はない。  ともあれ、きょうは、歴史的な男子部の「全国地区リーダー大会」、女子部 の「全国ヤング・リーダー大会」、おめでとう! (大拍手)  皆さんは「これからの人」である。大切な方々である。私は本当にうれしい!  (大拍手) ロシアのセレブロフ博士 戦争や悲惨をなくしたい! SGIは今の世界に なくてはならない存在 ◇ 誉れ高き青春!  一、現在、私が対談を進めている、ロシアの宇宙飛行士セレブロフ博士は言 われている。  「創価学会は今の世界にとって、なくてはならない存在だと思います。  私は、創価学会とSGIの未来に大いに期待します。その運動を支える人々 は、高貴な人生を生きる方々です。  そのような人々が、地球上に、もっともっと多くなっていくことを、私は願 っています。  そうすれば、戦争もなくなり、世界の悲惨な出来事も、もっと少なくなるこ とでしょう」  〈名誉会長とセレブロフ博士は総合月刊誌『潮』で、対談「宇宙と地球と人 間」を連載中〉  広宣流布は、人類の精神を最高峰に向かって向上させゆく、果てしなき高貴 な挑戦である。  これほど、永遠にわたる大偉業の人生はない。このことを深く強く確信して いただきたい。  もちろん、現実は、さまざまな苦労もあるだろう。しかし、大切なことは、 一つ一つの眼前の戦いを、また一日一日を、爽快に勝ちゆくことだ。そして自 分自身の栄光輝く、誉れ高き青春時代を歩んでいくことである。  自分のために、お父さん、お母さんのために、同志のために、そして、世界 の平和を築く、偉大なる仏法のために、この一生を、晴れやかな勝利で飾って いただきたい(大拍手)。 ◇ 希望の春へ  一、全国そして全世界の婦人部の皆さま方、さらにまた、多宝会の皆さま方 をはじめ、全同志のご健康とご長寿を、心よりお祈り申し上げたい。  壮年部の皆さま。厳しい不況にも負けないで、戦い進んでいただきたい。私 も、お題目を送ります。  大聖人御聖誕、また戸田先生の誕生の月であるこの「伝統の2月」、創価の 勝利の春へ、希望に燃え、確信に燃えて、前進また前進したい。断固、勝利を 勝ち取りましょう!(大拍手)  一、きょうはイギリスの友も見えておられる。  終わりに、イギリスの箴言を紹介したい。  著名な思想家であり歴史家であるカーライル。  彼は、1795年、スコットランドに生まれ、1881年のきょう(2月5 日)、85歳で亡くなった。その著作『英雄と英雄崇拝』は世界的に有名で、 私も青春時代、よく読んだものである。  この本では、歴史を創ってきた英雄について、さまざまな角度から光を当て て論じている。  「信仰の英雄」「言論の英雄」「思想の英雄」「行動の英雄」――まさしく 創価学会であり、皆さまである。  世界が多くの面で行き詰まっている今こそ、世界を正しい道へと導く、新た な英雄――勇気ある善の人間が数多く出現する以外に、人類の未来はない。創 価学会が出現した意義の一つも、ここにあると私は信ずる。 ◇ 祈れば智慧が! 勝利の軌道が!  一、カーライルは言う。  「世界の偉大な深遠な法則にわが身を合致させる限りにおいて、正しく、無 敵であり、有徳であり、確実な勝利への途上にある」(入江勇起男訳)  私どもにとって「偉大な深遠な法則」とは、宇宙の根本法である南無妙法蓮 華経である。  御本尊に勤行・唱題し、わが身を合致させ、境智冥合した時、自身のうちに 偉大な智慧がわく。そして、確実に「大勝利の人生」の軌道を進んでいけるの である。  さらに、カーライルは断言する。  「低劣な連中は、いかに金メッキをしても、いかに紋章を作っても、いかに 免状をもらい、宣伝され、はなやかに照らし出されても、低劣にはかわりがな く、それ相応の運命をたどらねばならぬのである」(上田和夫訳)  仏法の世界にあっても、善の民衆を踏みにじる「低劣な連中」が悲惨な末路 をたどることは絶対に間違いないのである。  一、長時間、ありがとう!   全同志の健康と福運と無事故、そして、一家一族の方全員が、悔いなき幸福 な人生、安穏の人生を送りゆかれることを、私は心から祈ります。  海外の皆さま! 遠いところ、大変にご苦労さま! 帰られましたら、わが 同志に、くれぐれも、よろしくお伝えください。いつまでも、お元気で!  女子部の皆さま! お父さん、お母さんを大切に。どこまでも聡明に進んで ください。  きょうは、本当にありがとう!  青年部、万歳! (大拍手) (2003・2・5)