2003.2.23 sp 君よ 信念に生き抜け! 正義には恐れなし 山本 伸一 正義は 恐れない。 恐れたならば 正義ではない。 あらゆる凶暴な 非難など 賢明な君たちにとっては 恰好の慰めだ。 彼らは いくら懺悔しても 短いこの一生では 罪は消えない。 彼らは永劫に 悪魔の心をもって 苦しみ慄きながら 流転していくにちがいない。 君よ あのような生半可な人生を 送ってはならない。 君よ 決して地獄の眷属に なってはならない。 そして君よ 軽率な 物足りない一生を 送るな! 己自身が 正しくあれば 己自身が 正義であれば 己自身が 深き決意を持つならば そして 君自身が 確信ある人生を歩むならば 胸が張り裂けるような 辛くして切なき 苦労があっても 燦々たる太陽が 君を明るく照らす。 正義を持てる人には 正義を持って戦う人には 必ずや 勝利の讃歌を歌いながら 無数の諸天の神々が 厳然と守ることは 間違いない。 フランスの女性思想家 シモーヌ・ヴェーユは 誇りも高く謳った。 「正義は  無限に大きな権力よりも  無限にすぐれている」 君よ 正義の剣を さらに高く振るいゆけ! 想像を絶する この一生を 戦い飾れ! 苦痛が何だ。 非難が何だ。 あの悪しき 狂人じみた中傷が何だ。 君の正義の運命の戦いは 世界のすべての家々の 窓を開けながら 讃え励まし続ける。 そして 最後の責務を遂行するまで 皆を見守っている。 君の前途は明るい。 満月のごとく明るい。 君には無駄がない。 君の行動は遅くない。 最後まで 正義の軌道を運行しゆく 確かなる勝利の法則なのだ。 私が 忘れ得ぬ出会いを結んだ ドイツの哲人指導者 ヴァイツゼッカー元大統領は 鋭く喝破されている。 「何十年にもわたって  嘘を語り続けるのは、  最悪の害毒であります。  それは、  国家、社会、隣人との間にある  信頼感を破壊します」 私たちは 「言論の自由」を 当然視する。 しかし あまりにも邪悪な そして卑劣極まる 陰謀の策文は 言論ではない。 人を苦しめ 殺す毒である。 その言論の暴力とは 永遠に戦う! ある哲学者が 面白く慨嘆して言った。 「人間の世界には  恐ろしい怪物がいるものだ。  そして  打ち解けることのできない  悪意だけの愚者がいる。  欲深く野心の奴隷となって  正義の人々をも  惨殺させようとする  陰湿な人間もいる」 しかし君よ 一人 正義の旗を高らかに 決して 嘆きの風に流されるな! 君の正義の振る舞いと その晴朗の雄叫びは 幾百万の人々の心を 喜びに満たしてくれるからだ。 フランスの精神(エスプリ)の闘士 ユゴーは宣言した。 「迫害 何ぞ恐るるに足らん。  若き人々よ、勇敢なれ。  現在 如何に酷遇さるるとも  未来には美わしい世界が  待ちうけているであろう」 新しき世紀は 我らのものだ。 古き暗い世紀よ 去れ! 曲がりくねった 邪悪の世紀よ 去れ! そこには 充実の光もない。 勝利の旗もない。 緑の香気もない。 我らは 気高い豊かな心で 数多くの 意義深き人生の詩(うた)を 歌いながら 行進するのだ。 我らには 数え切れない 勝利の歴史がある。 我らは 恐れない! 邪悪の毒矢にも 断じて恐れない! アメリカ・ルネサンスの旗手 エマソンは獅子吼した。 「正義が犯されれば、  怒りが爆発するのです」 我らは 正義の勇者だ。 我らの叫びは 無限の時間を 貫通しながら 永遠に響き残る。 我らの浄い鋭い声は あの邪道の黒ずんだ 憎しみと傲慢の彼らには 到底わかることはない。 私たちの 心からの喜びも 彼らには みな苦しみとして 聞こえるだけだ。 その人生の極みは 苦痛と呻吟(しんぎん)と後悔で終わる。 一片の人生の喜びさえない 哀れな姿だ。 蒙昧(もうまい)な心の者には 正義の太陽は見えない。 「自分自身の内には  訴えるべき正義を  何ももたないという状態が、  恥ずべきことであり、  無教育の大きな証拠だ」 これは 古代ギリシャの大哲学者 プラトンの結論である。 君よ 勝負はついた。 君よ あの姿を見たまえ! 苦しみの断末魔の あの呪い狂った姿を。 我らは勝った! 皆を 喜びの煌めく太陽が 包んでいる。 あの卑劣にして 邪義の連中は まるで牢獄の格子から 羨んでいるような 醜態をもって 我らを見つめている。 彼ら敗北者の顔は あまりの侘しさに 疲れ果てている。 あの日の大言壮語など どこに消え失せたのか。 インドの詩聖 タゴールは語った。 「私は確信しているんです。  放置しておいたら、  不正不義や暴虐が  増えつづけます」 立とう! 友よ さあ行こう! 再びの我らの進軍だ。 信念と正義の火を 羽根として飛び立とう! そよ風に送られながら! 夜空の星々に 見つめられながら! 私は君と この人生の栄光の物語を 綴りたい。 いな 正義の戦闘の 勝利の連続の運命を 綴りたい。 風よりも更に空虚な この社会にあって 我々の物語は 無限に 価値あるものとしたいのだ。 人生には 確実な地平線が 見えるはずだ。 いな あるはずだ。 その先には 曙光も落日も見えない さまざまな世界が 太古より 変わらない姿をしながら 実在しているはずだ。 我らを傷つけた あの悪運に振り回される彼は 何の幸もなく 苦しみながら 来世に行くのか。 我らの正義の 魂魄の叫びは 永遠に 朽ちることは断じてない。 勝ちに勝ちたる 血潮に染まりゆく 勝利の血脈は 永遠に 受け継がれてゆくだろう。 ホイットマンは謳った。 「永遠に生き生きと、  永遠に前へ前へ」 来たれや 来たれ! 無限に続きゆく 命運を共にしゆく わが弟子たちよ! 金色輝く あの夕暮れの景色を 見つめながら 今日も勝ちたり! 正義は勝ちたり! さようなら また明日! さようなら ごきげんよう! と 頭を上げ 胸を張りながら 勝利の長者としての 輝かしき姿に 夕焼けの太陽は 一段と美しい。 無名の英雄である 君よ! 偉大な教師である 君よ! そして 正しく生きゆくことを知る 君よ! 君の胸中に尽きぬ 正義の炎には 驕慢な者たちは 何も応えることができない。 彼らには 灰色の火が降り始めている。 正義の信念に対して 彼らは 脆弱な魔性の心だ。 我らは 絶対の正義の道を 運命に左右されず 戦い進む! 悪党は 地獄に滑り落ちるごとく 懺悔の暇もなく 苦しみ去っていく。 フランスの行動する作家 ロマン・ロランは問いかける。 「もし自分の誤りを正し、  偏見にうちかち、  自分の思想と心情を  ひろげるためで  ないとすれば、  生きるということが  いったい何に役だつのか?」 君の深い 荘厳な祈りは 奥深き正義の信念が 無限に響き渡っていくようだ。 そこには 正義と幸福が 強く結びついている。 そして絶えず 正義の探求と証明が あらゆる幸福の 限界を超えながら 己の実しい魂に 輝き光っている。 正義には 無限の力がある。 ただの野心は 行動は似ているが 薫り高き 豪華な心がない。 彼らは さまざまな財宝を欲し 阿修羅のごとく 富を追求してゆくが その巨大な船は 暗礁に乗り上げ 荒波に沈みゆく。 正義の勝ちゆく航海は あなたのために 真剣なる諸天が 守りに護る。 喜べ! ここに勝利の船は 鐘を高らかに 打ち鳴らしながら 全員が 正義の凱旋の笑顔で 錨を降ろすのだ。 君よ 生き抜け! そして 断じて勝つのだ! 悪意の 牢獄の中に縛られ 一生 終わってはならない。 君には 自由がある。 君には 正義がある。 君には 信念がある。 無限の力がある。 百万人の味方がいる。 やがて君を 尊敬しようという人が 地平線の彼方より 躍り出て 喝采で迎える日が来る。 あの卑劣な者どもには 終わりの人生においては 絶望の叫びしかない。 そして 惨めな墜落の音が 辺りに響くだけだ。 彼の地獄の災難は 自分自身でつくったものだ。 我々は 再び あの我らの楽園の島に 向かって 優美な船で 静かな航海を また続けよう! 我々には 我々の行く所がある。 我々には 我々の行く目標がある。 いかなる警告も憐憫(れんびん)も 我らには必要ない。 常勝不滅の大城が 我らを歓迎する。 無数の同志が 喝采をあげながら 待っている。 迷ったような 目つきのものは一人もいない。 皆が 生き生きとしている。 皆が 闘魂に燃えている。 皆が 勝利の英雄なのだ。 彼らには 恐るべき未来が待っている。 その到達点は 地獄という炎の世界だ。 自ら正義を弾圧しながら 最後は汝自身が 天から弾圧を受けるのだ。 おお 正義の君よ! 今日も叫ぼうではないか! あの堕落の 妬みの連中を 雷雨の響きのごとく 驚かせ 笑いながら 進もうではないか! 君よ 君らしく 君の信念で生き抜け! その信念と行動が 正義だ。 正義に生き抜く人は 恐れるものはない。 恐れるものがないことが 正義の証だ!  二〇〇三年二月二十日   学会本部・師弟会館にて      世界桂冠詩人 --------------------------------------------  ヴェーユの言葉は冨原眞弓訳、ヴァイツゼッ カー元大統領は加藤常昭訳、ユゴーは平林初之 輔訳(現代表記に改めた)、エマソンは原島善 衛訳、プラトンは藤沢令夫訳、タゴールは我妻 和男訳、ホイットマンは木島始訳、ロマン・ロ ランは山口三夫訳。