2004.11.2SP SGI会長 モスクワ大学総長と語らい ◆◆◆モスクワ大学と創価大学 教育が築く友情は永遠 ◆《総長》学問も政治も「人間のために」 ◆《SGI会長》トルストイの魂の叫び「私は苦しむ民衆の味方」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ロシア連邦政府から池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に、日露 の文化交流、教育・学術への貢献を讃える感謝状が贈られた(10月30日、 聖教新聞本社)。授与式の後、SGI会長夫妻は、モスクワ大学のサドーヴニチ ィ総長夫妻、ロシュコフ駐日大使、同大学のトカチューク基礎医学部長、ドン ツォフ心理学部長一行を歓迎して語り合った。席上、総長から新潟県中越地震 の災害に対して心からのお見舞いが述べられた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【SGI会長 モスクワ大学総長と語らい】  「池田先生、こんなに大きくなったんですよ」  サドーヴニチィ総長が数葉の写真を差し出した。  「池田先生が自ら植えられた『白樺』です。元気に育っています」  「驚きました! もう10年になりますか」  それは1994年5月17日、SGI会長がモスクワ大学を訪れた際、キャ ンパスの植物園で記念植樹したもの。  当時、腰の高さほどだった苗木は、今や、見上げるばかりの凛々(りり)し い姿に。  SGI会長がモスクワ大学を初めて訪れ、交流を開始して30年。  色づく秋の「白樺」は、この日の"友情の語らい"のように、まばゆい「黄 金」に輝いていた。   ■勝利の250年 【サドーヴニチィ総長】 わが大学は、2カ月後に「創立250周年」を迎え ます。   【池田SGI会長】 本当におめでとうございます!  貴大学が、総長の傑出(けっしゅつ)したリーダーシップのもとで世界に冠 (かん)たる発展を遂(と)げておられることは、周知の事実です。  新たな図書館や付属病院の建設など、希望あふれるニュースもうかがってお ります。  昨年は、モスクワ大学の出身者2人が、ノーベル物理学賞を受賞されました。 私たちも、大喝采(だいかっさい)を送りました。  〈アレクセイ・アブリコソフ博士とビタリー・ギンツブルク博士。受賞理由 は「超伝導と超流動の理論に関する先駆的貢献」〉  人類の教育史に輝きわたる貴大学の勝利の佳節(かせつ)を、私たちは心か ら祝賀します。   【総長】 ありがとうございます。  きょう、私は「聖教最高栄誉賞」を受けましたが、これも、私個人にいただ いたものではなく、250年にわたって、学問のため、青年の育成のために打 ち込んできた数多くの教授陣、モスクワ大学の歴史に対して贈られたものと思 います。深く感謝申し上げます。 ◆《池田SGI会長とサドーヴニチィ総長》 対談集の発刊を喜び合う ■良心を呼び覚ます本を社会へ  【会長】 この9月、総長との2冊目の対談集『学は光 ―― 文明と教育の未 来を語る』が発刊され、各界に大きな反響を広げています。  〈潮出版社刊。1冊目の対談集『新しき人類を新しき世界を ―― 教育と社 会を語る』も同社から。この2冊を収めたロシア語版『二つの世紀を挟(はさ) んで ―― 教育を語る』は、モスクワ大学の「創立250周年記念事業」とし て出版された〉  かつて、貴国の大文豪トルストイは喝破(かっぱ)しました。  「極めて多くの有害な本が書かれ、伝播(でんぱ)されているので、この害 毒に対抗することが出来るのはただ本によってのみです。くさびはくさびによ ってのみ打ち出すことが出来るのです」(除村吉太郎訳、岩波書店刊『トルス トイ全集』第21巻所収「書簡抄」から。現代表記に改めた)  悪書の蔓延(まんえん)は、現代の日本でも深刻です。知性を啓発(けいは つ)し、良心を呼び覚ますような、まじめな本ではなく、読んだ人を愚かにす るような興味本位の本ばかりが目につくと嘆く人は多い。   【総長】 今のロシアも同じです。 ■師弟ありて学問は永遠に発展  【会長】 総長とともに、21世紀の活字文化に寄与しゆく一書を残せたこと は、このうえない光栄です。最高に価値ある歴史を綴ることができました。    総長に対しては、広く日本中から深い尊敬が寄せられています。対談集にお ける珠玉のメッセージも、多くの読者に深い感銘を与えました。希望と啓発の 光を送りました。  総長は言われています。「学生が大学教育を終えて母校を巣立(すだ)つと き、彼のなかに大学教育を通して育(はぐく)まれたものを『教養』と呼び、 その『教養』とは何かと問われたら、私は、それは学生が教授とのふれあい、 切磋琢磨(せっさたくま)のなかで培(つちか)った『総合的な人間性』であ ると申し上げるでしょう」  さらに、こうも述べておられます。  「教室にいる学生たちをわが弟子と思って育てることができなければ、学問 に永続性はないといわなければなりません」  大学界に覚醒を促す、きわめて重要な教育論です。心ある大学人からも、た くさんの反響が寄せられています。  〈月刊誌『潮』の11月号では、同対談集に対して「正当な教育を骨格とし た新しい論理の組み立てが、二十一世紀社会に生きる人間の哲学として先ず構 成されなければならないことを悟らされました」(西澤潤一・岩手県立大学学 長)、「お互いを活性化し、深め合う作業である『対話の意義を再認識できる 対談集である」(梶田叡一・京都ノートルダム女子大学学長)など著名な大学 人が評価の声を。さらに「(本書は)真の『対話』であって、静謐(せいひつ) ではあるが、その底からふつふつと湧き上がるヒューマニズムの激しさに息を のむ」(作家の童門冬二氏)等の所感も寄せられている〉  【総長】 対談集の発刊を喜んでいただき、私のほうこそ、本当にうれしく思 います。  対談のなかで、ともに語り合ったことがら、とくに池田会長の思想は、この 出版によって、今やロシアの多くの人々と分かち合えるようになりました。  モスクワ大学の多くの教授たちも、会長の考え方に共鳴しています。池田会 長の名前も広く知られています。  対談では、教育や文化、そして青年の、育成について幅広く意見を交わしま した。  とくに教育の役割について語り合った際、"どんな政治も、どんな政府も、 人間のためにある。社会も、すべては人間のためにある"という点で深く一致 しましたね。   【会長】 ええ。"すべては人間のために" ―― これこそ、あらゆる問題の 急所です。私も、総長の人間教育の信念に深い感銘を受けました。  総長は、対談で、ノルウェーの作家ヒュドモンドの言葉に触れておられます。 素晴らしい言葉です。  「一流の人物の周りには一流の人物が集まる。二流の人物の周りには三流の 人物しか集まらない」  まったく、その通りです。  この言葉通り、総長の周りには、きょう同席されている先生方をはじめ、超 一流の知性の連帯が広がっています。そうした知性とともに、新しき人類のた めに、新しき世界のために、さらに尽力(じんりょく)してまいりたい。   ■日露戦争とトルストイ   【会長】 ちょうど100年前、貴国と日本の間に戦争が起きました。日露戦 争です。  このとき、トルストイはアメリカの新聞社から、こう聞かれました。  「あなたは、ロシアと日本、どちらの味方なのですか?」  この間いに、トルストイは答えました。  「私はロシアの味方でも日本の味方でもなく、それぞれの政府によって欺(あ ざむ)かれ、自分たちの幸福にも、良心にも、そして宗教にも反して戦争に駆 り立てられる両国の労働者の皆さん方の味方です」(北御門二郎訳)  私は、どちらの「国家」の味方でもない! 戦争で苦しむ「民衆」の味方 だ! ―― これが、トルストイの真情でした。  また、フランスの新聞に対しては、こう語っています。  「私にとって民族が何でしょう?(中略)私は人間のために立っているもの です」(原久一郎訳)  本来、同胞である人間同士が、国家によって分断され、僧しみ合い、殺し合 う「戦争」を痛烈に批判したトルストイ。  「現在における大きな戦いは、今日本人とロシア人の間で行なわれている戦 いでもなく、これから起こるかも知れない白色人種と黄色人種との戦いでもな く、地雷(じらい)や爆弾や銃弾で行なわれる戦いでもなく、まさに今、目覚 めつつある人類同胞の意識と、人類を取り囲み、圧迫を加える闇と苦悩との戦 いなのである」(北御門二郎訳)  この叫びは、今日の世界にも響いております。  私どもは、「民衆のため」「人間のため」、そして「青年のため」「人類の ため」という大目的に立って、友情と連帯の大道を開いてまいりたい。  目先のことにとらわれて、大きな友好の流れを見失うようなことがあっては なりません。 ―― 明年は日露通好条約150周年 ―― ―― プーチン大統領が来日予定 ―― ◆友好へ民衆の「心」を結べ ■信頼が突破口(とっぱこう)に  【ロシュコフ大使】  まったく同感です。  どちらが正しい、どちらが間違っているといった次元ではなく、人間のため、 人間の将来の幸福のためという立場で語り合っていくことが最も大切です。そ うすれば、必ず共通点は見いだせるし、目の前のさまざまな問題の解決も容易 になると思います。 【会長】 そうです。友情を深め、信頼を深めていけば、必ず、すべて解決し ていくのです。 【大使】 池田会長の考え方は、大変、魅力的であり、学んでいきたいと思い ます。  ですから、(SGI会長への感謝状の)授与式でも申しましたが、会長の創 立した創価大学に、ぜひ入学させていただきたい(笑い)。       【会長】 私は、日本とロシアの間に、永遠に崩れない友好を築きたいのです。  もちろん日本人の多くは、貴国の文化を尊敬し、貴国を偉大な国と見ていま す。しかし一方で、なんとなく"こわい国"と思っている人がいるのも事実な のです。  歴史的に培われた偏見や先入観を変えていくには、粘り強い努力が必要です。  双方の国民が、互いに正しく認識しあい、真の友人としておつきあいしてい く時代を開いていきたい。   【総長】 池田先生が言われる通り、ロシアと日本という二国間の関係は、民 衆が、どのようにお互いを理解し合うかに、かかっている。民衆の心をいかに つかむかに、かかっています。お考えに、私は心から賛同いたします。  池田先生は、日本がソ連にいかなる態度をとろうとも、時流がどう変化しよ うとも、一貫して、わが国に理解と温かい眼差しを注いでこられました。  先生が一民間人としてなされた功績には、偉大なものがあります。  そうした功績の反映として、今、モスクワ大学の教授陣にも、池田会長の考 えが大きな影響を与えています。いな、ロシアの教育システムそのものに影響 を与え、人々が日本を理解し、好感をもつようになっています。   【会長】 明年は、1855年に静岡の下田で「日露通好(つうこう)条約」 が締結(ていけつ)されてから150周年であり、日露友好の大きな節目とな ります。  近年、両国の貿易高は大きく増加し、日露関係は、これまでの歴史の中でも、 とくに良好であると言われています。  そうしたなか、明年初めには、プーチン大統領の来日が予定されています。  歴史的な訪問となることは間違いありません。  私たちも、訪問の大成功を祈ってまいりたい。  さらに明年は、貴国がナチスの侵略に勝利してから60周年。貴国では、こ の戦争で、人口の1割以上に当たる2500万人もの方々が犠牲になりました。  日本においては、広島・長崎が被爆して60周年になります。  その意味からも、プーチン大統領の来日の際、ぜひ広島を訪問していただき たい。多くの人から、こうした念願が寄せられていることを伝えさせていただ きます。 ■サミットに中国、インドを   ―― 次いでSGI会長は、この10月、プーチン大統領が中国を訪問し、 胡錦濤(こきんとう)国家主席との会談が成功裏に行われたことを祝福した。  〈SGI会長は胡主席と85年、98年の2度、会見している〉  今回の会談で両首脳は、戦略的パートナーシップの強化、国境問題の解決な どをうたった共同声明に調印した。  74年、池田会長が中ソ両首脳と相次いで会談し、両国の対立回避へ行動し た当時とは様変わりし、今やロシアと中国の関係は「史上最良」とも言われる。  一方、中国とアメリカも、経済や人的交流など、緊密の度を深めている。  SGI会長は、人類全体の平和と利益のために、ロシアと中国、そしてアメ リカの連携(れんけい)が重要であると強調。  さらに、国際社会へさまざまな提言を行ってきたことに触れつつ、2006 年にロシアが議長国となり、モスクワで開かれる予定のサミット(主要国首脳 会議)に言及。  サミットには、各界から形骸化(けいがいか)への懸念、参加国の枠組(わ くぐ)みへの疑問が寄せられているのが現実であるとし、"サミットに中国と インドを加えることを検討すべき"との、かねてからの提案を伝えた。   【会長】 総長は「日露賢人(けんじん)会議」のメンバーでもあられます。 日露の信頼できる関係の構築のために、重要な会議であることは、よく承知し ています。  〈同会議は昨年10月の日露首脳会談で設立に合意。メンバーは日露7人ず つで、ロシア側の座長をルシコフ・モスクワ市長、日本側の座長を森前首相が 務める。総長は今回の来日で、日本側メンバーと会談を重ねた〉  【総長】 賢人会議で話し合うべきことについて、きょうは、示唆(しさ)に 富む、誠実な提言をいただきました。  大統領からの依頼で7人のメンバーに加わったことを誇りに思っています。  ここ数年、私が、池田会長をはじめ、日本の大学関係者と親しく交流してい るので、日本のことをよく知っていると思われたのでしょう。  賢人会議を通して、両国の民衆が、お互いをより正確に、より近しく知り合 うことができるようにしたい。それを自身の課題として取り組みたいと思って います。   ■数学とは?   【会長】 ところで、アーダ夫人もまた、総長と同様、高名な数学者であられ ます。  じつは、私の恩師の戸田第2代会長も数学者でした。  恩師が戦前に執筆した参考書(『推理式指導算術』〉は、100万部を超え るベストセラーになるほどの人気を博(はく)しました。  しかしながら、弟子の私は、数学が苦手で、若いころから苦労したものです。  数学ができる方が、本当にうらやましいです(笑い)。  ところで、数学とは、私たちには遠い存在のようでもありますが、さまざま な点で日常生活に深く関係しているともいえます。  さらに、数学という学問は、科学の要素もあれば、哲学の側面もありますね。   【アーダ夫人】 そうです。それは、数学を学ぶ人の人格によって、いかよう にも変わるのではないでしょうか。   【会長】 なるほど。明快です。  数学の得意な人が、商売は上手でなかったり(笑い)。そういうこともあり ますね。   【総長】 そうです。その通りです。 ―― 19世紀ロシアの女性数学者らの信条 ―― ◆◆光明へ 自由へ 勉強しよう 奮闘しよう ◆親の真剣な姿が子を導く   ■先駆の女性   【会長】 思えば、世界に先駆けて、大学教授として活躍した女性は、ロシア の方でした。  有名な19世紀ロシアの女性数学者ソーニャ・コワレフスカヤです。 〈1 850?91年〉  彼女をはじめ、当時の若き女性たちが、自らの信条としていた思想に、こう あります。  「勉強しよう、自分たちの心を改善しよう、愛する国のために最上の努力を しよう、自由のために奮闘(ふんとう)しよう、暗黒と圧制から光明(こうみ ょう)と平等へ向上しよう」(野上弥生子訳『ソーニャ・コヴァレフスカヤ ― 自伝と追想』岩波文庫)  勉強しよう、奮闘しよう、向上しよう ―― 素晴らしい「人間革命」の光に あふれた言葉です。 【総長】 おっしゃる通り、コワレフスカヤは、非常に優れた数学者でした。  偏微分(へんびぶん)方程式の「コーシー=コワレフスカヤの定理」は有名 です。教科書にも載っています。  男性数学者がそれまで解けなかったことを、彼女が見事に証明したのです。   【会長】 その意味でも、先駆の方ですね。   【総長】 容姿端麗で、多くの男性数学者の憧(あこが)れの存在でもありま した。 ■好きな数字は?  【会長】 総長ご夫妻の3人のお子さん方も、数学を専攻しておられます。  日本では"数学嫌い"の人が多いようですが、お子さん方を"数学好き"に 育てられた秘けつは、なんでしょうか。   【夫人】 いえ、特別な教育はしていないのです。  何も特別に教えなかったために、自然のうちに、子どもたちは、親の姿を見 て、数学者になったのではないでしょうか。   【会長】 聡明(そうめい)なお答えです。  親が前向きに懸命に生きる姿を、子どもは、見ていないようで、きちんと見 ているものです。百の言葉よりも、一の行動です。手本を示すことです。  真剣なご夫妻のお姿が、お子さんを、同じ使命の道へと導かれたのでしょう。  ところで、奥さま、とくに、好きな数字はありますか。 【夫人】 ……あります。5と7です。   【会長】 そうですか! 仏法でも「五字七字」が大事です。そこに、仏法の 究極があると説きます。 〈五字とは「妙法蓮華経」を意味し、七字とは「南 無妙法蓮華経」を意味している〉 ■きら星の如く人材を育成!  【会長】 ロシアの文豪チェーホフもまた、モスクワ大学出身です。医学部に 学びました。  今年が没後100年です。  チェーホフは謳(うた)いました。  「真の人生の楽しみとは、知ることにある。永遠の生命は、知識を得るため に、尽きることのない無限の泉を与えてくれる」  「知ること」こそ人生の楽しみ ―― 「知」をこよなく愛する貴大学の校風 (こうふう)を、そこに感じます。   【総長】 このチェーホフの言葉は、モスクワ大学に脈打つ精神と同じです。  それは"知識とは、善と平等を実現する力である"というものです。  19世紀の作家のレールモントフもモスクワ大学出身です。  先日、チェーホフの没後100年と、レールモントフの生誕190年を記念 した集いをモスクワ大学で行いました。   【会長】 そうでしたか。  そのほかにも、ツルゲーネフやパステルナークなど、作家だけでも、きら星 のごとき人材が、貴大学から巣立っています。  また総長は「ロシア大学総長会議」の議長も務めておられる。  2002年12月6日、プーチン大統領も出席して開かれた会議で、総長は 高らかに宣言されました。  「ロシアの未来は、ロシア各地にいる優秀な生徒や学生の肩にかかっている。 いかなる改革も、この思想を根本に置くべきです」と。  不滅の叫びです。全教育者、全指導者が命に刻(きざ)むべき原点の叫びで す。 ■友情よ「大樹」に   ―― また語らいでは、ロシュコフ大使が趣味で始めた写真の作品が、各国 の駐日大使らによる写真展にも出品されていることが話題に。  〈東京・銀座のミキモトホールで開催中の「にっぽん ―― 大使たちの視線 2004」に出品〉  総長は、SGI会長の写真作品について「いただいた池田先生の写真集は、 本棚の一番大事なところに収めてあります。「拝見すると、いつも心が安らぐ のです」と感銘を語った。   【会長】 きょうは、ご多忙な日程のなか、おいでくださり、ご恩は一生、忘 れません。私たちの大きい友人として、先達(せんだつ)として、これからも よろしくお願いします。  総長ご夫妻との友情は、私の人生にとって大きな歴史です。このような歴史、 思い出をつくらせていただき、私は幸福です。   【総長】 明年1月、創立250周年を迎えるモスクワ大学の式典に、代表団 を派遣していただくことを改めてお願いします。お越しいただけることは、私 たちにとって大変な名誉なのです。  これまで築いてくださった友情に、私たちは、とても満足しております。今 後も、教育界のため、両国の青年のために、協力しあっていきたい。そのため のお力添えを、ぜひ池田先生にお願いします。   【会長】 モスクワ大学は偉大な大学です。創価大学は"孫(まご)"のよう な存在です。私どものほうこそ、末永いおつきあいをお願いしたい。   【卜力チューク基礎医学部長】 帰りましたら、学生たちに、きょうのことを 話します。哲学者であり、詩人であり、社会活動家である池田先生と、個人的 にふれあう機会をもてたこと、そのお話から深い感銘を受けたことを、ぜひ伝 えたい。 【会長】 アメリカにも創価大学を創立しました。こちらにもご招待させてい ただきだい。幸いなことに、学生・教員・施設 ―― いずれも、各方面から高 い評価をいただいているのです。                    ◇  10年前、白樺の木を植樹した際、SGI会長は語った。  「木を植えることは、いのちを植えることです。心の『根』と『根』を結ぶ ことです」  日露友好の未来を見つめる、この日の語らい。  大樹(たいじゅ)を目指す青年の成長を信じて、心の「根」と「根」は、一 層強く、深く結ばれた。  会談にはモスクワ大学のストリジャック助教授、ロシア大使館のガルージン 公使、創大の若江学長、池田理事、創価女子短大の福島学長、学会の松島・江 藤副会長、小熊SGI副女性部長、潮出版社の西原社長が同席した。