2004.11.5SP  オシ国立大学名誉教授授与式 *** 開拓こそ希望! 勇気で開け! *** 「私は勝った」と言える人生を! ◆《キルギスの大詩人》 邪悪と戦え 善友を守れ ◆《96歳のロートブラット博士》世界の平和は創価の学生に託す 【創立者の謝辞】  一、海外また各界のご来賓の皆さま方、本日はご多忙のところ、遠方からお 越しくださり、本当に、ありがとうございました!(大拍手)  先ほどは、創大生、短大生、留学生の皆さん方が、創大際、白鳥祭を記念す る演技を披露してくださいました。  勉強やクラブ活動など多忙な学生生活の合間を縫(ぬ)っての練習であった、 ともうかがっています。  何はともあれ、一生懸命の人は美しい。すがすがしいものです。  皆さん、本当にありがとう!  また、若き学生たちの誠心誠意の姿を、寛大な心で見守り、大きな励ましの 拍手を贈ってくださった来賓の皆さま方、大変に、ありがとうございました! (大拍手) ■親孝行の言葉を  一、創価の学府で学ぶ皆さんは、親孝行であっていただきたい。  自分が最も世話になってきた親の心すら分からない。分かろうともしない。 そういう自分本位の人間が、社会に出たとしても、信頼されるはずがないので す。  皆さんは、たまには、家に帰ったら、「お父さん、毎日のお仕事お疲れさま です。肩でも揉(も)みましょうか」とか、「お母さん、きょうは私が食事の 支度をしますから、ゆっくりしてください」と言ってあげてほしいのです。離 れて暮らしている人は、電話で何かを伝えるだけでもかまいません。  お父さんお母さんは、その言葉だけで、うれしいのです。皆さんの心がうれ しいのです。心が大事なのです。  その心を教えるのが人間教育です。  約束です。皆さん、よろしく頼みます。  一、得(え)てして、人間というのは、好きか嫌いかで判断されてしまうも のです。  だからこそ皆さんには「あの人は、いい人だ」「立派な態度だ」「見ていて 気持ちがいい」と言われるような、誠実な振る舞いをお願いしたい。そういう 自分をつくった人が勝ちです。  誠心誠意の人、一生懸命の人が、最後は勝っていくことを忘れないでくださ い。 ■師の悲願を胸に  一、「対話」とは、何か。  キルギスの言語では、対話とは、「顔を隠さずに、真実の言葉をもってする 会話」という意義があると言われています。  まさしく、真の対話とは、生命と生命の真剣な打ち合いであり、誠心誠意の 魂と魂の交流でなければなりません。  私は、この「対話」の波また波を、自分らしく、世界に広げていこうと決心 して、きょうまで走り抜いてきました。  海外の各界の第一人者との対談集も、33冊を数えるに至っています。  それは、いずれも、テレビのニュースなどで大々的に取り上げられるような ものではなかった。そうした華やかな世界に比べれば、本当に地味な対話であ ったかもしれない。  しかし、私は、「この世から悲惨の二字をなくしたい」と叫ばれた恩師の願 いを断じて実現するために、これだけは必要だと思った道を進んできました。  一、現在、私は、世界的な平和の闘士であるロートブラット博士と新たな対 談集の発刊に向けて、対話を重ねています。  ロートブラット博士は、アインシュタインや、哲学者のラッセル、そして私 が対談したポーリング博士らとともに、核兵器と戦争の廃絶のため、戦い抜い てきた偉大な科学者です。  その「戦う心」を私は尊敬しています。  3年前、ロートブラット博士は、わがアメリカ創価大学を訪問してください ました。  多くの青年が無思想、無信念に傾きがちな現代だからこそ、博士は"世界の 平和は、創価の学生のような使命感に燃えて行動する青年に託す以外にない" と絶大なる期待を寄せてくださっているのです。  青年ならば、理想を持つことです。新しい希望を持つことです。  たとえ現実がいかに厳しくとも、自分たちの力で、青年たちの連帯で、素晴 らしい世界をつくっていこう! ―― それくらいの気概がなければ、青年とは いえません。  ロートブラット博士は、きょう、ロンドンで96歳の誕生日を迎えられまし た。  いつお会いしても、博士は、颯爽(さっそう)として青年のごとく若々しい。  この博士から、「優秀な創価教育の皆さん方に、くれぐれも、よろしくお伝 えください」と伝言があったことを謹(つつし)んでご報告します(大拍手)。   ■歴史の都から  一、世界の知性も見つめる第34回の創大祭、そして第20回の白鳥祭、ま ことにおめでとう!  中央体育館、また松風センターで参加されている皆さん方も、本当にご苦労 さまです。  心より尊敬申し上げるオシ国立大学のムルズブライモフ総長ご夫妻。  また公務ご多忙のところ、お越しくださった在日キルギス大使館のクタノフ 大使、ならびにサリーエフ公使参事官(さんじかん)。  そして、すべてのご来賓の皆さま方。  ただ今、私は、3000年の「歴史の都」に輝く教育と文化と学術の大殿堂 から、最高に栄えある栄誉を拝受(はいじゅ)いたしました。  厚くまた厚く、心より御礼を申し上げるものです。ありがとうございました (大拍手)。   ◆◆キルギスとは「敗れざるもの」の異名 ◆◆◆学べ!「智慧」は幸福の泉   ―― 自分らしく誠心誠意で 真の対話は「魂の交流」 ■シルクロードの英知の言葉  一、キルギス最大の貴大学がそびえる天地は、いにしえのシルクロードの壮 大な東西交流の劇が開幕した、永遠不滅のロマンの舞台でもあります。  幾多の民族が往来し、幾多の文明が遭遇(そうぐう)する、激動の中央アジ アにあって、貴国の先人は、誇り高き栄光の叙事詩を綴り残してこられました。  「キルギス」という名前は、「敗れざるもの」という言葉に由来するという 説があります。じつに雄々(おお)しい意義をはらんでおります。  すなわち、何ものにも負けない。決して敗れない。断じて屈しない ―― こ の強さこそ、一切の根本だからです。  "不敗の国"キルギスの不撓不屈(ふとうふくつ)の精神の水脈に流れ通う ものは、いったい何か。  その一つは「智慧」の力です。  貴国の美しい箴言(しんげん)に、「学ぶことは、智慧の泉。智慧は、幸福 の泉」とあります。  まことに重要な言葉です。  「知識」と「智慧」は違う。もちろん、人間にとって、知識は絶対に必要な ものです。「知は力なり」と言われるように、価値を創造するための重要な"武 器"でもある。  しかし、智慧こそが、幸福と、力と、勝利の源泉なのです。  知識は、智慧の"泉"を汲み出す"ポンプ"といってよい。  知識と智慧の混同 ―― ここに現代の大きな錯誤(さくご)があります。こ こに、さまざまな不幸や、戦争などの悲劇が生まれてきた原因の一つもある。  さらに貴国の箴言には、「智慧ある人は、いかなる困難も乗り越えられるが、 智慧なき人は、いつも不幸がつきまとう」ともあります。  どんなに学歴を誇っても、たとえ有名な学者だとしても、知識だけの人は、 困難を乗り切れない。  また、愚かであれば、幸福はついてこない。心に油断があれば、幸福は守れ ません。  幸福をつかむためには、智慧が必要であり、智慧を得るためには、懸命に学 ばなくではならない。  どうか皆さんは、「何のため」に学ぶのかという間いかけを忘れず、徹して 学び抜いていただきたい。 ■勇者一人あらば皆が目覚める!   一、貴国のもう一つの誉れある精神の水脈は、「勇気」です。  11世紀の貴国の大詩人バラサグンは、高らかに謳(うた)っております。  「臆病者たちの中に、一人の勇ましいリーダーが入れば、どんな臆病者にも 勇敢さが目覚める」  至言(しげん)です。私も、この言葉通りの行動を貫いてきたつもりです。 そうやって、世界に広がる平和団体を築き上げてまいりました。  さらにバラサグンは、「邪悪な敵に対しては、断固として戦え!  善良な友 は、断固として守るのだ!」とも言っております。  とくに青年は、善なる民衆をいじめる圧迫に対しては、奮然と反撃せよ!そ して正義の指導者を守り抜け! ―― これこそ、千年の歳月を超えて謳い継が れてきた、シルクロードの大詩人の叫びなのです。  こうした気高き「智慧」と「勇気」を体現(たいげん)され、共和国の先頭 に立って、「いかなる荒波をも乗り越えゆく21世紀の人材」を育成されてい るのが、ここにお迎えした総長ご夫妻であります(大拍手)。  総長は、貴大学の卒業生として、初の化学博士となり、初の科学アカデミー 会員にも就任されました。  さらに総長は、母校初の国会議員にも選出されています。  そして、尊き母校愛を、燃え上がらせながら、貴大学の旭日(きょくじつ) のような大発展を成し遂げてこられた。 ■「強靱(きょうじん)なる鋼鉄(こうてつ)」  一、総長の歩みは、試練の連続であったかもしれません。  力ある正議の人物には、卑劣な嫉妬の敵が、ウソやデマを振りかざして、無 数に襲いかかってくる。これが、世の常であります。  「強靱なる鋼鉄」という意義の名前を持った総長は、「敵がいるからこそ、 強く成長できる。嫉妬は一種の慢性病だ。悪の道を歩む人間は、必ず滅びる」 と語っておられる。  その言葉のままに、見事な教育の勝利の歴史を綴ってこられた。  どうか皆さんも、どんな困難があろうと、 「私は勝った!」と言い切れる よう、わが人生を生き抜いていただきたい。  本日、皆さん方を見守ってくださっている来賓の先生方も、荒れ狂う波乱の 時代にあって、厳然たる名指揮を執(と)って、勝利、そしてまた勝利の道を 切り開いてこられた方々です。  こうした人生の先達(せんだつ)に謙虚に学びながら、自身の理想を見据(み す)えて、日々の現実の中で、 「きょう、私は勝った!」 「あす、必ず勝 とう!」という、一日また一日を送ってください!(大拍手) ■世界の指導者と平和の語らい  一、今年、生誕100周年を迎えた貴国の国民詩人トコムバエフは、謳い上 げました。  「希望とは何か? それは疲れを知らぬ、情熱にあふれた開拓である」  私はこの言葉に、深い感銘を受けました。  私たちも、これでいきましょう!  私は30年ほど前、モスクワ大学で"人類の心と心を結ぶ新たな精神のシル クロードを"と講演しました。多くの教授や学生が出席してくださり、深い感 銘の声を寄せてくださった。  先日、再会した同大学のサドーヴニチイ総長一行も、この講演のことをよく ご存じでした。総長とは、深い友情で結ばれています。心が通じ合っています。  私は、世界を駆けめぐりました。世界を「わが家」としてきました。  日本と中国、日本とロシア、また中国とロシア、さらにアメリカとキューバ など、世界に友好の橋を架けることを願い各国の指導者らと率直な対話を重ね ました。そして平和のために、全世界に民衆と民衆の交流を広げてきたのです。  一、うれしいことに、貴国をはじめ中央アジアの国々との青年の交流も、一 段と大きく開かれております。  世界中の大学とも、教育と文化のシルクロードを深く広く結ぶことができま した。  世界の大学・学術機関からいただいた「名誉博士」「名誉教授」等の栄誉は、 これで166となりました。  アメリカやイギリスの著名な教育者も、"池田氏が受けた名誉学術称号は、 世界一ではないだろうか。前代未聞である。今後も、この栄誉を超えていく人 物は、出ないのではないか"と語っておられたと聞きました。  自身のことであり恐縮ですが、こうした栄誉は、すべて皆さんを代表してい ただいたものです。皆さん方に託す友情の道、使命の道を開きゆくものです。  あとに続く大切な皆さんであるがゆえに、あえて紹介させていただきました。 ◆《ユゴーが若き同志に》    偉大に! より一層偉大に! 君の強さを鍛えゆくのだ!! ■真理を求めゆく情熱を  一、先ほどは見事な演技、本当にありがとう!  留学生の皆さんも、よく頑張ってくださった!(大拍手)  創価同窓の島田歌穂(かほ)さんを中心とした「レ・ミゼラブル」の歌の大 合唱も、じつに素晴らしかった。その御礼を込めて、文豪ユゴーの言葉を贈り、 スピーチを結びたい。  それは、ユゴーが迫害の渦中に若き同志に送った手紙です。師子吼(ししく) です。  「君の心には、真理を愛する情熱が燃え、君の瞳(ひとみ)には、未来を見 つめる炎が輝く。偉大に、よりいっそう偉大に成長したまえ」  「君の不動の強さを、さらに鍛えゆくのだ」  「不正と憎悪と邪悪に対する戦いを、ねばり強く貫き通そうではないか!」  一、貴国の麗(うるわ)しき国旗には、燦然(さんぜん)と光を放つ、黄金 の太陽が描かれております。  シルクロードの「英知の太陽」たる貴大学の永遠なる栄光を、そして、「平 和の太陽」たる貴国の無窮(むきゅう)のご繁栄を、私たちは心よりお祈り申 し上げます。  そして、総長ご夫妻をはじめ、ご列席のすべての先生方の限りなきご健勝を 心からお祈りし、私の御礼のスピーチといたします。  ラフマット(キルギス語で「ありがとうございました」)!(大拍手)