新・人間革命  羽ばたき 三十四 (2929)  正本堂建設の場所は、「大御本尊は客殿の奥深く安置する」との相伝に基づき、大客殿 の後方と決まった。  設計については、正本堂建設委員会で検討を重ね、一九六六年(昭和四十一年)七月に は外部基本設計が決まり、翌六七年(同四十二年)二月には、内部基本設計が決定した。  横田君雄が設計に着手してから、描いた下絵は実に千枚を超えていた。そのなかで練り 上げられた設計である。雄大で気高かった。  正本堂の外観は、「法庭」「円融閣」「思逸堂」「妙壇」の四つに分かれていた。 「法庭」は正本堂前面の広場で、その中央には「涌出泉水」の義にちなみ、八葉の花弁形 の大噴水が造られる。 「円融閣」は、正面玄関ともいうべき場所であり、妙法蓮華経の五字の意義を込めて、五 本の大円柱が立っている。その柱の直径は五・三メートル、高さは屋根を含めて三十メー トルを超えていた。 「思逸堂」は玄関ホールにあたる場所で、ゆるやかなスロープとなっている。  正本堂の中枢部となる「妙壇」(本堂)には、法華経従地涌出品に説かれた、六万恒河 沙の地涌の菩薩の出現にちなみ、六千のイス席が設けられることになる。  また、内部の空間には一本の柱もなく、世界に類を見ない「半剛性吊り屋根構造」であ った。  その屋根の形は、羽を広げて大空へ羽ばたく鶴をイメージした、まことに洗練されたデ ザインになっていた。  横田は、戒壇として大御本尊を中心とした荘厳な建物にすることは当然のことながら、 終始、参詣する人間を主体にして設計を考えた。 「円融閣」で待機する人びとは、その壮麗な柱を仰ぎ、高まりゆく気持ちで入場し、静け さに包まれた「思逸堂」を通りながら心を落ち着かせる。  そして、広くて、高い天井の「妙壇」の席に着き、荘厳な思いで、平和と幸福を祈願す る。  祈りを終え、満ち足りた心で、再び「法庭」に出ると、天高く噴水が舞い、美しい虹が 懸かっている。  参詣者は、生命の充実感、開放感を覚え、歓喜のなか、新たな出発を期すことになる― ―。 名字の言 2004.11.18 ▼限界を突破し、10倍の拡大を成し遂げた山口開拓闘争(1956年10月・11月、 57年1月)。その熱気を伝える1枚の写真がある ▼防府市で拠点となった質素な旅館、部屋を埋める求道の友。聞き入る真剣な横顔、なか には笑顔も見える。その輪の中心に、全魂込め激励する28歳の若き池田名誉会長(当時、 青年部の室長)の雄姿がまぶしい ▼岩国、柳井、徳山(現・周南市)、防府、宇部、山口、萩へと転戦する2度目の開拓闘 争の最中、11月18日のことである。学会創立という最も意義深い記念日に、名誉会長 は恩師の命を受け、弘教拡大の最前線に立っていた ▼それは峻厳な師弟の魂。会員のため! 友の幸福のため! 率先の姿に、皆が奮い立っ た。勇気の心が燃えた。前進と喜びの歯車が勢いよく回転を始め、壁を破る歴史が刻まれ た ▼リーダーの陣頭指揮こそ、常勝への明快な方程式である。その率先垂範の行動があって、 初めて皆の心が一つになる。いかなる卑劣な中傷や偏見も、木っ端微塵に粉砕する。「悪 は多けれども一善にかつ事なし」(御書1463n)である ▼「今週のことば」(11月15日)に「『異体同心』で新たな勝ち戦を!」と。陣頭に 立つ行動が、新たな勝利の歴史を創り始める。 (刻) 北斗七星 2004.11.18 ◆天空から舞い降りてくる白い花びらのような雪。雪の結晶の研究で有名な中谷宇吉郎博 士は「雪は天から送られてきた手紙」と言い表した。月や桜とともに昔から美の極致とし て愛でられてきた ◆豪雪地帯はまた、日本の貴重な水資源でもある。「耕して天まで至る」と言われるほど 棚田を切り開くことを可能にし、北陸から東北地方を日本有数の大穀倉地帯に発展させて もきた ◆その豪雪地帯の一つを今年は大地震が襲った。新潟県中越地方には例年だと11月末に は初雪が降る。明日の見通しが立たない被災者の不安は降雪期を目前に募るばかりだろう ◆「(震度7を記録した)川口町の道路を復旧しないと除雪ができず、町が孤立してしま う危険性がある」(泉田裕彦新潟県知事)。倒れずに残った家屋でも雪の重みで倒壊する 危険がある ◆余震の恐怖も拭いきれない。被災地での取材から戻った記者が語っていた。「余震で少 しでも揺れると、和やかに話をしてくれていたご婦人の顔が瞬く間に凍りついた。そして 『怖い。いやだ。いやだ……』と叫ぶんです」 ◆迫り来る冬。突然来る余震に被災者の心労は筆舌に尽くしがたいものがある。インフル エンザの蔓延も危惧される。雪が積もるまでに時間との競争に勝たなければならない。関 係各方面の復旧へのさらなる努力をお願いしたい。     (六) ☆「わが友に贈る」☆ 学会活動には 喜びがある! だから功徳がある! 最高の同志とともに 最高の幸福人生を!