新・人間革命  羽ばたき 四十一 (2936)  着工大法要から一年を経た、一九六九年(昭和四十四年)十月十二日には定礎式が行わ れた。  御本尊を安置する須弥壇の基底部分に、世界百三十五カ国・地域の石を埋める儀式であ る。  山本伸一は、正本堂建立を発表した六四年(同三十九年)五月三日の本部総会で、日本 各県の石はもとより、世界各国の石も集め、正本堂の基礎に埋め、荘厳したいと語った。  正本堂は、世界平和を祈願する大殿堂であり、人類の幸福を実現しゆくための道場であ る。  それだけに、その礎には、なんとしても、世界の石を納めたかったのである。  伸一は、その先頭に立ち、海外を訪問するたびに、自ら石を採取して歩いた。  また、彼の提案に賛同した海外のメンバーも、来日の折に石を持ってきてくれるなど、 協力を惜しまなかった。  幾つもの言語や宗教、民族によって構成されるユーゴスラビア(当時)の石も届いた。  パリで画家として活躍する長谷部彰太郎が、ユーゴスラビアで行われた版画展を訪れ、 会場の美術館の前で見つけた美しい石を、送ってきたのである。  仕事で海外に出張した会員や外国航路で働くメンバーも、各国の石を採取してきてくれ た。  これら同志の尊い尽力によって、分断された双方の国や、紛争が絶えない国の石も集ま った。  サウジアラビアやイスラエル、イラク、イランなど、中東諸国の石もそろった。ソ連を はじめ、社会主義国の石も、たくさん集まった。  アフリカの石もあった。なかでも、ガーナからは、独立の父エンクルマ初代大統領の別 邸として使われた家の庭の石が届けられた。  その家に、日本から手工芸関係の技術指導員として派遣された壮年部員が住んでいたの だ。彼はこの庭の石を大西洋の海水で洗い、磨いて日本に送ったのである。  南極観測船の乗組員となった学会員が届けてくれた、昭和基地周辺の石もあった。  平和建設の礎石とは何か――それは、この世から断じて不幸をなくそうという、人間の 固い誓いである。強き意志力である。その心が正本堂に結集されたのだ。 名字の言 2004.11.26 ▼先日、第4回全国障害者スポーツ大会が開催された。東京代表の青年は1500b走に 出場、銀メダルに輝いた ▼彼が知的障害と診断された時、母は不安に苛まれた。そんな母や家族に「苦難に負けず 立ち向かっている、あなたの姿が皆の希望になる」との励ましが。宿命を使命に″との 強い生き方を学んだ ▼一家は「言葉が出るように」など目標を定め、祈った。達成の喜びが、次への挑戦の力 に。彼も中学1年生の時、教諭に勧められた100b走で1位になった喜びが、現在の活 躍につながっている。男子地区副リーダー。3級試験も合格。弘教も実らせ、入会した友 と一緒に今大会でメダルを獲得するなど、感動を広げている ▼ヘレン・ケラーは、「人間を変えるものは環境ではなく、人間自身の内なる力なのです」 と。視力も聴力も失い、話すこともできなかった彼女は不屈の挑戦で、人の唇の形、振動 を手で覚え、ついに言葉を発する。さらに大学に学び、社会福祉に尽くした ▼その陰に彼女の可能性を信じ、引き出した教師・サリバン先生がいた。心から励まして くれる存在がいかに尊いか。自身の内なる力を信じることがいかに大切か。良き友と励ま し合い、日々の挑戦で勝利のドラマをつづっていきたい。(心) 北斗七星 2004.11.26 ◆雨の日の朝、横断歩道で車の往来が途切れるのを待つ小学生の集団登校に出くわし、運 転中の車を止めた。傘を傾けお辞儀をしながら渡る列を見ていて思わず微笑んでしまった ◆すると、傘を差しながらやって来た一台の自転車が列に突き進んでいく。立ち止まる小 学生たち。謝るでもなく通り過ぎて行った自転車の主はうら若き女性だった。あきれた以 上に驚いた ◆こんな場面を見たからかもしれないが、同じような出来事がやけに目に付いた。満員電 車で大きなリュックを背負ったままの若者や携帯電話で声高に話し続ける女子高生。タバ コの投げ捨て… ◆作家の曽野綾子さんが『それぞれの山頂物語』(講談社)で「私の周辺にも無気味な人 たちがいる。(中略)自分以外の他人の存在に、深く思いをいたすことがほとんどできな い」と書いていた ◆さて、内閣府政府広報室の「『安全・安心に関する特別世論調査』の概要」(今年7月) では、回答した2136人のうち63・9%が、一般的な人間関係について「難しくなっ たと感じる」と答えていた ◆その原因にあげられた第1位は「人々のモラルの低下」(55・6%、複数回答)だっ た。安全・安心な社会を次代の子どもたちに残すためにも、自らも曽野さんが言う無気 味な人″にならないように努めなければならないと改めて思った。 (六) ☆「わが友に贈る」☆ 火災に厳重注意を! 絶対無事故を祈れ。 たばこの吸い殻 整理整頓 出かける時も点検を!