新・人間革命  前進 二十四 (3302)  山本伸一は、広宣流布に走り抜いて亡くなった若き同志を顕彰する、二本の桜の木を眺 めながら、最大の敬意をもって心で呼びかけた。 世界広布の本舞台である二十一世紀に、若々しい生命で活躍できるよう、早く生まれ変 わって来るんだ。みんなが待っているよ。私も待っているからね″  伸一は、この日、四国文化会館の館内をくまなく点検して回った。  ――コンセント周りに埃などがたまっていないか。燃えやすい紙などが放置されていな いか。電気はちゃんと消してあるか。水道の水が出しっぱなしになっていないか。戸締ま りはなされているか……。  事故をなくし、安全を確保することは、リーダーの義務である。  火災や事故など、その原因は常に小さなことにある。  大火といっても、最初は、ほんの小さな火から始まるのだ。 「一瞬の不注意が、一生の幸福を破滅に陥れる」(注)とは、イギリスの登山家ウィンパ ーの警告である。  事務所に運び込まれたばかりの荷物が置かれていた以外は、館内はよく整理整頓され、 廊下や壁も、きれいに清掃されていた。  管理者が、日々、丹念に清掃してくれているのであろう。また、会館の職員も、文化会 館を美しく使おうと、奮闘してくれているにちがいない。  伸一は、その努力を心から賞讃したかった。 「ありがたいね。よく頑張ってくれている」  彼は四階の和室に入ると、職員などに贈るために、色紙に励ましの言葉を次々としたた めていった。さらに、会館にいた四国の幹部らと勤行し、懇談した。  束の間の休息もない連続行動であった。伸一は片時も、時間を無駄にはしたくなかった のだ。  時間は、誰にも等しく与えられている。要は、その時間を、瞬間瞬間、どう使っていく かによって、将来に大きな違いが生じるのである。  流れなき水は澱み、回転なき車輪は錆びる。  前進、前進、前進――そこに、希望燦たる未来が生まれる。  青年よ、力の限り進め! 生命ある限り戦い抜くのだ!未来は今″にこそあるからだ。  引用文献  注 『アルプス登攀記』浦松佐美太郎訳、岩波書店 名字の言 2006.3.13 ▼春の訪れは、何によって感じるだろうか――「春一番」の言葉に象徴されるように、 「風」と答える人が多いかもしれない。先日、関東地方に「春一番」が吹いたが、強い風 にも街行く人の足取りは、どこか軽やかだった ▼一方で、アラスカで春を告げるものは「音」。「ボーン!」という轟音とともに春がや ってくる、と写真家・星野道夫氏がエッセーにつづっている(『ぼくの出会ったアラスカ』 小学館文庫)。これは半年間、凍りついていた大河が、何の前触れもなく無数の巨大な氷 塊と化し、いっせいに動き出す音。アラスカの人々にとっては、この瞬間から「春」にな る ▼季節の変わり目には、何らかの「きざし」がある。それが自然の摂理ともいえよう。御 書に「夏と秋と冬と春とのさかひ(境)には必ず相違する事あり凡夫の仏になる又かくの ごとし」(1091ページ)と。凡夫が仏になる時には必ず三障四魔が競うとの仰せであ る。壁を破る一歩手前は苦しい。しかし、その峰を越えれば新たな地平が開けゆく ▼なれば「大変な時」や「難しい状況」は、自身の新たな境涯を開くために欠かせない 「飛躍台」といえまいか。人生の勝利の春へ、「いよいよだ!」「さあ、何でもこい!」 と心を燃やしたい。(己) 北斗七星 2006.3.13 ◆偽メール事件と次期党代表選絡みの内紛から、参院でも民主は仮死状態″。与党が野 党の務めまで担う審議が続く ◆参院審議初日の7日は公明党の木庭健太郎参院幹事長、自民党の片山虎之助参院幹事長 らが「4点セット」(ライブドア事件、耐震強度偽装、防衛施設庁の官製談合、米国産牛 肉の輸入再開)に論及。木庭氏はさらに、高額医療費の窓口支払い額軽減を主張、川崎厚 労相は「来年4月から実施したい」と答えている ◆永田議員や民主党が「偽メールと知って利用した」とまで勘ぐるまい。しかしどんな偽 物でも「本物であってほしいとの熱い願望」で見れば本物″に映る。このプロセスを、 マルコム・グラッドウェルの近著『第1感』(沢田博・阿部尚美訳/光文社)が論証する ◆同著によれば米国のゲッティ美術館は、「あるいは現代の模造品」と付記されているク ーロス像を購入して赤っ恥をかいた。新参者はハクをつけたいと焦り、適応性無意識の力 (第1感)が曇ったのだ ◆著者は米国民が外見だけで選んだ第29代大統領、ウオーレン・ハーディングの例も挙 げる。女と賭博に目がなく、政権は腐敗の巣、2年の在職で急死(1923年)した後も 「史上最悪」の評価は不変とか ◆我々も、商品・恋人・仕事・政治家選びまで、適応性無意識の力を磨かないと大変な結 果に陥りかねない!(芙) ☆「わが友に贈る」☆ 「きょうを 大勝利の日に!」 そう決めた人が勝つ。 「心こそ大切」だ! ―3月13日― ★今週のことば★ 未来部の希望月間。 宝の人材を育てよ! 三代の師弟の魂と 広宣流布の精神を 永遠に継承せよ!        3月13日