新・人間革命  前進 四十二 (3320)  坂田益男は、自動車の部品だけでなく、建設機械の部品製造など、なんでも引き受けた。 毎日が挑戦であった。  それが新たな分野の開拓につながり、時代に取り残されることなく、業績を伸ばす力と なった。  時代も技術も、変化、変化の連続である。変化を恐れ、新しき挑戦を忘れれば、人も、 会社も滅びてしまう。  後年、山本伸一が対談したアメリカの大経済学者サロー博士は、実業家として最も重要 な問題の一つは「自分自身を作り変え続けることができるか、ということである」(注) と述べている。  また、坂田が最も心していたのは、いかに自分を律するかであった。  自営業というのは、ともすれば、金銭の管理も杜撰になり、どんぶり勘定になりやすい 面がある。また、ついつい自分を甘やかしてしまいがちである。  実は、事業の行き詰まりの背景には、その甘さが必ずあるものだ。  坂田には、一つの夢があった。それは、地域の同志が、遠慮なく使える会場をつくりた いということであった。そのために、なんとしても事業を軌道に乗せたかった。  事業を始めて三年ほどしたころ、彼は古い店舗を購入した。一階を事務所にし、住まい である二階を会場に提供した。  会場といっても広さは八畳で、二十人も入ればいっぱいであった。 仕事で実証を示し、広々とした立派な個人会館をつくりたい″  彼は、そう念願しながら、仕事に、活動に励んでいったのである。  坂田の会社の年商は、堅実な経営によって順調に伸びていった。  また、「オイルショック」にも、ほとんど影響を受けずに乗り切れる基盤がつくられて いた。  日蓮大聖人は、「仏法は体のごとし世間はかげのごとし体曲れば影ななめなり」(御書 九九二ページ)と仰せである。  事業の成功も、根本はどこまでも信心である。  坂田は、そのことを実感していた。それだけに「広宣流布の使命を断じて忘れるな」と いう、伸一の指導が、深く胸に響いたのである。  後のことになるが、彼は一九八一年(昭和五十六年)に、四階建てのビルを購入し、二 階を個人会館としている。三十数畳の立派な会場である。  引用文献  注 サロー著『経済探検 未来への指針』島津友美子訳、たちばな出版 名字の言 2006.4.3 ▼人生の壁″を乗り越えた二人の信仰体験を聞いて思ったことがある。一人は、C型肝 炎を劇的に克服した壮年。もう一人は、妻を病気で亡くすが、広布の後継者としての子ど もを残してくれた妻に感謝し、勝利を誓う男子部の友 ▼共通するのは、苦境に直面したとき、「信心しているのになぜ?」との思いがわいたこ と。当然の疑問といえるが、仏法を学ぶ二人は、周囲の激励もあって、揺れ動く気持ちを 一掃、頭を上げて苦難に立ち向かった ▼日蓮大聖人は、御書の中でこうした疑念をあえて取り上げている。「現世安穏」を説く 仏法なのに、法難に遭うのはなぜか、と。その答えとして、正しい仏法を実践すれば、難 が起こることを説き、大事なことは、いかなる難にも負けず、信心を貫くことだとご教示 されている ▼「大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224ページ) とは、大聖人の闘争の人生を象徴している。今を盛りと咲き誇る桜も、風雪の日を味わっ ているように、苦難のない人生などない。大切なのは、その時、退かない「勇気」だ ▼苦労があるのが不幸ではない。苦労に負けないことが肝心だ。苦労を糧として強く生き 抜くところに幸福の実像はつくられる。(弓) 北斗七星 2006.4.3 ◆日本経済もようやく再生への道を歩む兆しが見えてきた。先ごろ日銀が金融の量的緩和 政策解除を決めたのは、デフレ経済から脱却する環境が整いつつあることを物語る ◆「公明党の参加で政権を安定させ、安定政権の力で経済再生をはじめ必要な改革を成し 遂げ、日本の危機を救おう」。こう決断して1999年10月、公明党は連立政権に参加。 いらい「経済再生と安心の社会づくり」をめざし、ひたすら走り続けてきた ◆あれから実に7年目。ようやく経済指標が好転し、今年秋には戦後最大の景気拡大であ る「いざなぎ景気」を超えようという勢い。この間、一貫して諸改革を支え、「生活与党」 の真価を発揮してきた公明党の奮闘を思うとき、感無量だ ◆景気回復は地域・業種・企業規模によって厳しさが残り、まだまだ細かな目配りが必要。 構造改革は昨年秋、ようやく郵政民営化が実現して改革が軌道に乗り、正念場に突入して いる ◆その改革をめぐり、『公明グラフ』春季号で、作家で元道路関係四公団民営化推進委員 の猪瀬直樹氏と、公明党の神崎武法代表とが対談しているが、率直な示唆に富む語らいは 興味深い ◆その中で猪瀬氏は「改革を公明党は支えてきたと思います。抵抗勢力が抵抗していると きも、公明党は官邸と密接にタッグを組んでいたと思います。そこは非常に大事です」と。 (晴) ☆「わが友に贈る」☆ 季節も社会も 変化の時こそ 一段と健康第一で! 思う存分 力を出すために! ―4月3日―