2006.4.4SP ――――――――――――――――――――――――――――――――――  創価大学(第36回)入学式       創価女子短期大学(第22回)入学式       湖南大学名誉教授授与式での創立者のスピーチ ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆◆◆ 朗らかに学べ! 勝ちまくれ! 勇敢にわが正義を叫び抜け ◆◆ 学生と教員は建学の精神のもとに集(つど)った同志      ── 学問は品位ある喜び      ── 学問は栄光の法則      ── 学問は前進勝利の源 【創立者のスピーチ】  一、新入生の皆さん、入学おめでとう!(大拍手)  元気そうで、うれしいです!  ご父母の皆さま方も、大変におめでとうございます(大拍手)。 ◆いつの日か父母と共に  一、イギリスのロンドン郊外、テムズ河を見下ろす緑の丘に、タプロー・コ ート総合文化センターがあります。  イギリス王室の居城・ウィンザー城にも近い。  この平和と文化の城に、きょう集った新入生の皆さんと、ご両親のお名前を 永久に保管することを提案申し上げます(大拍手)。  ただし、落第しないことが条件です(笑い)。  青春に悔いを残してはならない。徹して学問に打ち込むことです。  私は、できることならば、全員が成績優秀であってもらいたい。  そして、社会に出て、うんと働いて、偉くなって、親孝行してもらいたい。  お父さん、お母さんに恩返しできる力をつけてもらいたいのです。  そのために諸君は、この大学で学ぶのです。  タプロー・コートにも、ご両親を連れていってあげてほしい。  ここには、1400年前の古墳があり、近代では、イギリス王室や各国の王 室をはじめ、ナチスと戦ったチャーチル首相などの歴代首相、詩人ワイルドな ど、多くの名士が訪れました。  「知の社交場」とも謳われ、私もお会いしたタイ国王の祖父君(そふぎみ) も滞在されています。  私も行きましたが、本当に素晴らしいところです。  イギリスでなくてもかまわない。世界中、どこでもいいのです。  皆さんを苦労して大学に送り出してくださるご両親を、いつかは喜ばせてあ げてください。  約束しましょう。皆さん、よろしく頼みます(大拍手)。 ◆「学生第一の伝統を強めよ」  一、私は、毎日、創大生や短大生、また卒業生から、たくさんのお便りをい ただいています。  その中にあった声を、いくつか、ありのままに紹介させていただきます。  「創価学園は、すでに慶応、麻布(あざぶ)とともに、"御三家"と呼ばれ る日本の名門校の一つとなりました。  創価大学も、世界的な評価をいただいていますが、学園と比べると、これか らが勝負だと思います。  そのためにも、『建学の精神』を根本に、『学生第一』の伝統を、さらに強 めてもらいたいのです」  こういう率直な意見でした。  また、次のような声もありました。  「今、『21世紀建学学生協議会』が基軸となって、学生の声が結集されて います。  その学生の声に、理事会も、教員も、職員も、よく耳を傾けてほしい。  創大では、『教員を批判しない』という校風を、創立者がつくってくださっ た。  しかし、時代は大きく変わっています。  現代は少子化の時代であり、大学が淘汰(とうた)される時代です。  だからこそ、教員の質が厳しく問われています」  大学教育の質を決定するものは、さまざまありますが、やはり大事なのは、 教員です。  創価大学の教員の皆さんも、よろしくお願いします。 ◆学生中心の大学  一、また、教員の方から、次のような報告がありました。  「創大では、『教員倫理綱領』を制定しました。  とくに『創価大学に対する倫理』では、主に、次のような決定を行いました。  ?創価大学の建学の精神を尊重し、その実現に貢献する。  ?学内外において、創価大学の宣揚に努め、名誉および信用を傷つける行為を しない。  また、『教育者としての倫理』では ── 学生の人格を尊重し、権威的な態 度で臨んだり、不適切な言動によって、人格を傷つけない ── 等の点を決定 しました。  この『倫理綱領』に反して、学生や創価大学を軽んずるような発言や態度を とることは、絶対に許されません」  その通りであっていただきたい。  創価大学は、「学生が中心の大学」である。  どこまでも、「学生のための大学」である。  教員は学生に、学問の真髄を借しみなく注ぐ。  同時に、学生の相談椙手になるなど、親身になって面倒をみてあげてもらい たい。  学生は、その教員の真心と愛情に応えて、懸命に学び抜く。  教員と学生の真剣な"生命の打ち合い"の中にこそ、大学の発展があるので す。  教員と学生は、「建学の精神」のもとに集った同志です。  もしも、この「建学の精神」に反するような教員が出たならば、学生も黙っ ていてはいけない。  明快に正義と真実を叫び切ってもらいたい。  世界の平和と民衆の幸福のために戦う"永遠の知性の戦友" ── それが教 員と学生なのです。  一、今朝7時ごろ、大学の正門前で、牧口先生の筆による「創價大學」の金 文字を、じっと見つめていた一人の教授がいました。  すでに入学式の看板がたてかけられ、空は晴れわたり、爛漫(らんまん)た る桜の花びらが風に舞っていた。  早朝から大学の前にたたずむ一人の教員の姿からは、新入生を迎える新たな 決意が感じられました。  私は、うれしかった。  この真剣さがあるかぎり、大学は必ず発展する。創大は大丈夫だと思った。  その教員は、北政巳(きたまさみ)先生です。  きょうの式典にも出席しておられます。  いつも学生のため、卒業生のため、創大のために尽くしてくださって、本当 にありがとう!(大拍手) ◆理想の大学を  一、大学も激しい競争の時代に入りました。  多くの大学が志願者を減らしているなかで、わが創価大学には、高い倍率を 勝ち抜いて、最優秀の学生が陸続(りくぞく)と集ってくれています。  他の伝統ある大学に合格したにもかかわらず、創大に勇んで入学してくれた 方もいます。  この素晴らしい英才たちに、教員は、全力で、誠実に、応えていく責任があ ります。  「英才の学生」と「責任ある優秀な教員」が心を合わせて、理想の創価大学 を建設していただきたい。  そのために私も全力で応援してまいります(大拍手)。  一、きょうは、創大出身のプロ野球選手である八木智哉(やぎともや)君が、 この式典に駆けつけてくれました。  先日は、見事な「初登板・初勝利」、本当におめでとう!  全員で祝福したいと思いますが、いかがでしょうか(大拍手)。  多忙な中、本当にありがとう。体に気をつけてください。健闘を祈ります。 お母さんによろしくお伝えください! ◆◆◆ 民衆を救え 人材の力で     ── 「千年の学府」を貫く創立の志 ◆≪大哲学者・朱子≫「きょう学ばずして明日はない」 ◆人類の宝の学府  一、イタリアの大詩人ダンテは謳いました。  青春とは、何か ── 。  それは「わたし達の善き生涯に入るところの門と道とである」と(中山昌樹 訳『ダンテ全集第六巻饗宴・下巻』新生堂)。  桜花爛漫(おうからんまん)の「英知の門」、そして「友情の並木道」を歩 みながらの、勝利と栄光の新出発、おめでとう!  43力国・地域からの留学生の皆さんも、本当にようこそ!  きょうは、アメリカ創価大学に6期生として入学される予定の皆さんも、出 席してくださっている。ありがとう!  12世紀の中国の大哲学者・朱子(しゅし)は叫びました。  「謂(い)う勿(なか)れ、今日学ばずとも来日(らいじつ=明日)有りと。 謂う勿れ、今年学ばずとも来年有りと」  青春は、矢のごとく過ぎ去っていく。  今、この時に学ばずして、いつ学ぶのか。  "学べ! 学べ! 徹して学べ! "との哲人の叱咤の言葉です。  ともあれ、学問は「品位ある喜び」です。  また、学問は「栄光の法則」です。  そして、学問は「前進勝利の源(みなもと)」なのです。  教育者としても名高い朱子が、貴・湖南(こなん)大学で、三日三晩にわた り、立錐(りっすい)の余地もない満場の学生に対して、宇宙と精神を語る講 演を行ったという話も、有名です。  幾多の偉大な先哲が、心血を注いできた人類の宝こそ、貴大学なのです(大 拍手)。  千年の歴史と伝統を誇る貴大学からの最高の栄誉を、私は、新入生の英才た ちとともに、ただ今、謹んで拝受いたしました。  まことに、ありがとうございました(大拍手)。  本来、当然の国際儀礼として、私のほうから参上すべきところを、王耀中(お うようちゅう)常務副学長、王邦佐(おうほうさ)院長をはじめ諸先生方は、 わざわざ、創大にご来学くださいました。  このご高恩は、生涯、忘れません。 ◆富士を仰いで  一、湖南大学の淵源となった「岳麓書院(がくろくしょいん)」の創設は、 西暦976年。  日本では平安朝の時代です。  私が講演を行った、西洋最古とされるイタリアのボローニャ大学と並び立つ、 世界の大学の淵源が、貴大学なのです。  千年の風雪を耐え抜いて、教育の炎を守り伝えていくことが、どれほどの偉 業であるか ── 。  私は、それを身に染みて感じています。万感の思いをもって、貴大学の足跡 をうかがいました。  歴史上、貴大学は、戦乱などによって、何度も蹂躙(じゅうりん)躁踊され てきたと、うかがっております。  その7度目は、非道な日本軍の爆撃であった。こうした悪逆に、貴大学はす べて打ち勝たれました。  わが創価教育の三代の師弟も、暴力や権力の魔性とは、命を賭して戦ってき ました。  創大は、世界と友情を結ぶ大学であってもらいたい。  どうか皆さんは、語学にも大いに励んでほしい。時代は進んでいる。  もはや日本語だけでは通用しない。縦横無尽に外国語を操れるくらいの力を、 つけてもらいたいのです。  貴大学が「千年の学府」として、時代の激流を勝ち越え、乗り越え、大中国 を照らし続けてきた原動力は何か。  その一つは、「人材の力で社会と民衆を救う」という創立の志を、厳然と守 り抜いてこられたことです。  その精神は、今も貴大学の校歌に、「偉大なる人材が立ち上がり、志を奮い 起こして天下を安んずる」と謳われています。  創立の精神を貫いていく ── これほど尊いことはない。また、そうした団 体は何よりも強いし、勝利していける。  そしてまた、大事なことは、社会の闇が深ければ深いほど、明晰(めいせき) な知力を磨いていくことです。  時代が複雑になると、善悪がわからなくなってしまう。それらを峻別するの が知性の力です。  さらに大事なことは、正義の信念を、富士のごとく堂々と鍛えていくことで す。  きょうは富士山が美しい。特に、この八王子からは素晴らしい富士が見えま す。  どうか皆さんも、日々、この富士を仰いでほしい。そして読書や勉学に励み ながら、強き自身を築いていってください。 ◆◆ 正邪を見極めるのが知性    ── 〔師〕の真実を訴えた〔弟子〕の信念    ── 「正しき道は人によって初めて伝わる」 ◆弟子の執念  一、貴大学ゆかりの大哲学者・朱子は論じました。  「学ぶ者は、ともかく、意見について、真実かよこしまかを見分けるべきで ある。  真実であれば確保し、よこしまなものは、のぞくだけだ」(『朱子学大系第 6巻朱子語類』明徳出版社)  真実と虚偽、正義と邪悪を鋭く見極める力 ── これを磨いてこそ、真の英 知であり学問です。  創価大学は、そういう確固たる志をもった、新しき時代の大学となっていた だきたい。  一、朱子は、時の権力者の悪を厳しく糺(ただ)したために、大迫害を受け ました。  創価の三代も同じです。私は、弱い立場の人々の味方となって、権力悪の人 間とは、相手の立場がいかに強かろうが、毅然と戦ってきました。  権力者と戦う朱子の苦難にあって、弟子のなかには、怖じ気づき、保身のた めに、師匠を裏切る恩知らずもいた。  しかし黄幹(こうかん)〔幹=干ではなく木〕という弟子は、執念を燃え上 がらせて、師の正義を訴え続け、敵の邪悪を責め抜いた。"私は戦う、師匠の ために!" ── そういう心意気だったのでしょう。  そして師の「真実」を、厳正に書き残していった。『朱子行状(ぎょうじょ う)』です。  その信条を、弟子は胸を張って、記しています。  「道の正しい伝統は、人をまって、はじめて伝わる」(佐藤仁著『朱子行状』 明徳出版社)と。  その通りです。  大事なのは人です。人を育てる教育です。自分も人間革命し、他の人をも人 間革命していくことです。  いかなる思想も学問も、それを正しく受け継ぐ青年がいてこそ、永遠の命が 吹き込まれる。  受け継ぐのは青年しかない。  私も、師匠である戸田先生の偉大さを後世に伝えるために、ある時は罵(の のし)られ、ある時は無実の罪で牢にまで入れられながら、青年として戦った。  戸田先生の事業が苦境に陥(おちい)り、多くの人が裏切り、去っていった 時、私は弟子として一人立ち上がり、先生をお守りした。嵐に耐え、時を待ち、 時をつくった。  "絶対に先生の仇は討つ""先生の構想を実現してみせる"。そう決めてい ました。  そうやって、今日の創価の大発展の歴史が築かれたのです(大拍手)。  私自身のことで恐縮ですが、知る人ぞ知る真実の歴史です。  一、貴大学の長い歴史の中にあっても、学生を愚弄(ぐろう)し、大学を撹 乱(かくらん)する傲慢(ごうまん)な教員が出た時、学生たちが、決然と立 ち上がりました。  抗議運動を行い、断固として、悪人を追放していったというのであります。  創大生の諸君も、こうした世界の大学の歴史に学んでいただきたい。創価大 学の素晴らしき伝統をつくりゆくために。  こうした毅然(きぜん)たる強さがなければ、千年にわたって、偉大な大学 を守り抜くことなど、絶対にできません。  貴大学の校訓に「勇んで先駆を為す」とある通り、学生は正義の先頭に立つ 勇気を持たねばなりません。 ◆学規に「父母の安否を尋ねよ」と  一、先ほど私は、貴大学の「18条の学則(がくそく)」が記された、貴重 な書をいただきました。250年前に定められた、この「岳麓(がくろく)書 院学規」の冒頭に掲げられている項目は何か。  それは、「常に父母の安否を尋ねる」ことです。  父母の健康、無事を常に案じ、親孝行をせよ ── というのです。  まさに、真の優秀さと親孝行とは、深く一致します。  親孝行が足りないと思う人は、これから、今までの分も、うんと親孝行して いただきたい。  ここで、皆さん全員と「絶対に両親に心配をかけない」ことを約束したい。 ◆若き王者の君よ  一、ともあれ、大中国の有名な箴言(しんげん)には「長江(ちょうこう= 揚子江)の流れは、後ろの波が前の波を押し進める」とあります。  次から次へ新しき人材の波がわき起こってこそ、新しい時代が力強く前進し ていく。  ここに、永遠の発展のための重要な方程式があります。  「新入生の前進」こそが、創価大学・短大の前進となるのです。  本部棟には、イタリア・ルネサンスの巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチの立 像がそびえ立っています。  ダ・ヴィンチは、君たちに、深く静かに語りかけています。  「正義は、力と賢明さと意欲を必要とする」(瀬木慎一著『レオナルド・ダ・ ヴィンチ伝説と解読』ニュートンプレス刊)  どうか、正義によって立つ一人の青年が、どこまで強くなれるか。どこまで 賢くなれるか。偉大な青春の挑戦を、きょうから開始していただきたい。自分 自身の偉大な歴史を残していただきたい。  青春を無駄にしてはなりません。  一、本日は、海外からも、多くの賓客(ひんきゃく)をお迎えし、あらため て感謝申し上げます。すべてのご臨席の皆さま方の、ご健康とご多幸を祈りま す。  さらにまた、人類史に輝きわたる貴大学の、新たな千年へのご隆盛を、私た ちは、心の底から祈っております。  結びに、3首の歌を、創大生、短大生に贈ります。  天晴れて   秀才 集いし    創大は   世界に舞いゆく     勝利の博士と  満天に   桜は満開    君たちを   若き王者と     祝い微笑む  勝ちまくれ   歴史をつくれと    父母は   君らを見つめむ      母校を飾れと  心から愛する君たちよ、朗らかに学べ!  朗らかに生きよ! 前進せよ!  そして、朗らかに勝利せよ!  こう申し上げ、私の祝福と感謝のスピーチとします。ありがとうございまし た!(大拍手) (20060403)