新・人間革命  前進 四十四 (3322)  赤レンガづくりの半円形の壁が青空に映え、市中をパレードする音楽隊、鼓笛隊の奏で る調べが、辺りに響き渡っていた。  一九七三年(昭和四十八年)の掉尾を飾って、第三十六回となる本部総会が、十二月十 六日、大阪・中之島の大阪市中央公会堂で、晴れやかに開催されたのである。  本部総会といえば、会場は日大講堂など、東京と決まっており、東京以外の地で開催さ れるのは初めてのことであった。 「広布第二章」とは、それぞれの地方が特色を生かし、広宣流布の責任を果たしていく時 代であるというのが、山本伸一の構想であった。  したがって、必ずしも東京中心である必要はないし、また、本部総会の場所も、東京に 限る必要はないと、伸一は柔軟に考えていたのである。また、彼の関西に寄せる思いは、 格別に深いものがあった。  そして、伸一の提案をもとに、学会として検討し、この年の本部総会の開催地を、広宣 流布の模範の大伸展を見せる関西としたのである。  大阪は、商業の街であり、人間の温もりに満ちた庶民性がある。  伸一は、この本部総会の講演で、未来を展望し、高らかに宣言した。 「私どもは、明一九七四年(同四十九年)を『社会の年』と決めましたが、現下の社会情 勢はまことに激動の様相を呈しております。  それは、『物質至上主義』『経済至上主義』という信仰にかわって、いやでも私どもが 訴えてきた『人間至上主義』『生命至上主義』へと進まざるをえない状況になってきてい ることを示すものであります。  すなわち『社会の年』は、人間こそ原点であるという方向性を、社会に打ち立てる年と いえるのであります」  ここで伸一は、石油危機に始まった世界的な経済不況に触れ、世界のなかでも深刻な打 撃を受けるのは、資源の大部分を輸入している日本であることを述べた。  そして、その煽りをもろに受けるのは中小・零細企業であり、庶民が最も苦しまなけれ ばならないことを、強い語調で指摘した。  彼は、庶民を平気で犠牲にする、経済、政治の在り方に、憤りを感じていたのである。 名字の言 2006.4.5 ▼あるブロック長さんが入会の経緯を語ってくれた。直接は、結婚を機に奥さんに勧めら れて入会した。実は、それより10年以上前に、アパートの隣に住む青年から、学会の話 を聞いたことがあった ▼そのときは理解できず、反発。奥さんから学会の話を聞いたときは「またか」と思った。 だが、入会後の任用試験の受験や地道な学会活動を通し、「あのときの青年との対話があ ってこそ、今の自分がある」と実感するように。名前も覚えていないその青年のことを、 今でも思い出す。そして心からの感謝を覚えるという ▼仏法対話に、聞法下種(信心にいたらなくても、妙法の素晴らしさを聞く)と、発心下 種(妙法を聞き、仏法を求める心を起こす)がある ▼池田名誉会長は「ともに功徳は無量無辺」「相手が反対したとしても、生命深く『妙法 の種』『幸福の種』を植えたことは間違いない。その種は、『時』が来て、『機根』が熟 すれば、必ずや芽生えていく」と ▼折伏は難事中の難事である。しかし、勇気の対話によって、相手の生命に、仏法の種を 植えることができる。そして、いつか幸福の花と咲く。直接、目にすることはなくとも、 爛漫と花開く人生を確信し、堂々と語り続ける日々でありたい。 (道) 北斗七星 2006.4.5 ◆自宅の狭い庭にあるナツツバキの若葉が日増しに大きくなっていく。傍らのアジサイの 葉も「一日でこんなに」と思うほど急成長している。庭に出るだけで、その愛らしくも逞 しい生命力に心が癒やされ、元気が出てくる ◆きょうは「清明」。草木など万物が若返ってすがすがしく、さまざまな花が咲き乱れる 頃を指す。この時期、たまには都会の喧騒から離れ、美しい自然を堪能しながら、ゆった りと森林を歩いてみたい ◆こうした森林浴が健康増進やストレス解消に効果を発揮することから、今、「森林セラ ピー」が注目を集めつつある。先月26日付の小紙1面で、公明党も全力で普及を推進し ている森林セラピーをめぐる動きや効果を報じたところ、うれしいことに大きな反響を頂 いた ◆林野庁と国土緑化推進機構が今月中に認定する「森林セラピー基地」について、もっと 詳しく知りたいとの電話や、「公明党らしい取り組み。ぜひ頑張ってほしい」などと葉書 で党にエールを送ってくださった読者も多かった ◆鎮静効果のあるマイナスイオンを発する森林の中では、血液中の免疫細胞が多くなり、 抗がん作用を持つタンパク質も増加するという ◆自然の美しさを詠うことに一生を捧げた英国の桂冠詩人・ワーズワースは言っている。 「自然はそれを愛するものの心を裏切ることは決してない」 (翼) ☆「わが友に贈る」☆ 「瞋恚(=怒り)は 善悪に通ずる者なり」 邪悪は 断じて許すな! 魂の炎を燃やせ! ―4月5日―