新・人間革命  前進 四十六 (3324)  山本伸一の声に、さらに力がこもっていった。 「最初の『国土乱れん時は』(御書一九ページ)の『国土』とは、自然環境的な面ととも に、『社会』という意味をもっております。  自然と人間とを含めた総体としての『国土』であり、その国土が乱れる時には、それ以 前に、必ず人間のエゴ、いな、エゴよりもっと本質的な生命のもつ魔性が、底流として激 しく揺れ動くのであります。  その結果、『万民』すなわち、あらゆる人びとが狂乱の巷へと進み、やがて、その国土、 社会は、破滅の方向へと走っていく。  ゆえに、この『鬼神乱る』という生命の本質を解決する法をもたない限り、社会の乱れ を解決することはできない。  ゆえに、仏法という生命の大哲理を流布する、私ども創価学会の使命はあまりにも大き い。  今こそ、広宣流布の新しき潮流をもって、社会を潤す時代がきたことを、私は宣言して おきたいのであります」  怒涛を思わせる大拍手が公会堂にこだました。  この日集った人びとも不況の波を被り、皆、暮らしは逼迫しつつあった。しかし、使命 を自覚した同志は燃えていた。 だからこそ、私たちがいるのだ。私たちの手で、人間主義の時代を、生命の讃歌の時代 を開くのだ。さあ、折伏だ、前進だ! 今こそ、不況に負けない努力を重ね、見事な信心の実証を示そう!″  皆、こう思うと、勇気がわき、力がみなぎり、境涯が大きく開かれていくのを感じた。  生きる限り、苦悩はある。しかし、だから不幸なのではない。その苦悩に縛られ、心が 閉塞し、希望を、勇気を、前進の心意気を失ってしまうがゆえに不幸なのだ。  広宣流布の使命に生きるならば、わが心は洋々と開かれ、胸中に歓喜の太陽が昇る。  太陽に照らされれば、苦悩の闇は瞬時に消え去り、障害さえも新しさ明日への飛躍台と なるのである。  ペスタロッチは力強く訴えた。 「金は熱火に焼け失せることはなく、否、それは燃え上る炎の中にあってこそ精煉される のである」(注)  引用文献  注 「学園講演集」(『ぺスタロッチ全集第三巻』所収)四本忠俊訳、玉川大学出版部 名字の言 2006.4.7 ▼「きょうは富士山が美しい。特に、この八王子からは素晴らしい富士が見えます」 ▼3日の創価大学の入学式。白雪を頂いた富士山は圧巻だった。さらに、創立者の名誉会 長は新入生に呼びかけた。「どうか皆さんも、日々、この富士を仰いでほしい。そして読 書や勉学に励みながら、強き自身を築いていってください」 ▼日本初の公害事件とされる足尾鉱毒事件で、正義のペンをふるった明治の女性ジャーナ リストに松本英子がいる。千葉・木更津の出身。公害の背後にあった政府と社会のエゴ、 民衆蔑視の体質を鋭く暴いた。陰険な当局の弾圧も、彼女の信念を曲げることはできなか った ▼幼い頃、彼女は、父から富士を見せられた。家に帰ると、父が硯と筆を用意し、きょ う見た富士を描きなさい″。晴天の日には毎日、見せた。何度も何度も描かせた。富士の 高き気風に感化されよ、との父の思いであったと彼女は振り返っている(府馬清著『松本 英子の生涯』) ▼牧口先生は『人生地理学』で山は天の師であり、人心を啓発する″と述べている。苦 しく辛い時も「あの山のごとく!」と負けないで生きていこう。上へ上へと目指そう。そ の人は強い。山は師匠。じっと弟子の勝利を見守っている。(進) 北斗七星 2006.4.7 ◆平成の大合併を受け、「道州制」論議が活発化している。地方分権の決め手″ともな る大転換だ ◆2月28日、政府の第28次地方制度調査会も、「道州制の導入が適当」とする答申を 出した。地方分権を加速させ、国と地方を通じた行政の効率化を図る具体策として提言。 都道府県を廃止し、全国を9、11、13ブロックに分ける3案を示した ◆近代史を振り返ると、明治維新の廃藩置県が頭に浮かぶ。1871年、時の新政府は廃 藩置県を電光石火のごとく断行した。道州制は、まさに、これに次ぐ大改革。廃藩置県で は、国の中央集権が確立したが、道州制は逆に地方分権を決定付ける新たな形となる ◆江戸幕藩体制は版籍奉遷によって終止符が打たれた。止めを刺したのは廃藩置県。断行 したのは大久保利通、木戸孝允らだが、興味深いのは、廃藩を提案したのが廃される側の 藩自身だった点だ ◆道州制でも、全国各方面からの積極的なアプローチが必要だ。九州では、「九州は一つ」 との視点で、道州制を意識した取り組みが始まっている。05年4月には、県境を越えて 九州7県が産業廃棄物税を一斉導入する政策連携も行った ◆道州制は、自治体だけでなく中央省庁の再編にも踏み込む課題だが、避けて通れない大 仕事だ。世論を喚起しながら、幅広く関心を高め、実現に向け努力してもらいたい。    (尚) ☆「わが友に贈る」☆ 善き先輩に学び 先輩を乗り越えよ! 一騎当千の リーダーたれ! それが報恩の道。 ―4月7日―