新・人間革命  飛躍 二十一 (3346)  山本伸一の香港訪問は何紙かの地元紙にも報じられた。  そこには、昨年結成された「東南アジア仏教者文化会議」の代表者会議への出席や、香 港大学、香港中文大学への訪問など、伸一の予定も報道されていた。  なかには、伸一について、次のように紹介している新聞もあった。 「世界の平和と人類の幸福のために、常に努力し、一昨年、昨年と、二回にわたり、西欧 の知性を代表するイギリスの歴史学者A・トインビー博士と、二十一世紀の文明について 意義深い対話を行うなど、多角的な活動をしている」(「華僑日報」一九七四年一月二十 七日付)  香港に到着した伸一は、その日の夜には、メンバーの招待による「歓迎の夕べ」に出席 した。  会場は、十三年前の香港初訪問の折に、彼が宿泊したホテルであった。 "あの日、先生はここに宿泊され、香港広布の第一歩を踏み出された。その原点の地に集 おう"との思いから、メンバーが決めた会場であった。  伸一は宿舎から歩いて会場に向かった。  歓迎会には、香港の草創期から、懸命に頑張り抜いてきた十人ほどの代表が集っていた。 「先生、ようこそおいでくださいました」  それに応えて、伸一は言った。 「多謝、多謝! ありがとう。皆さんは香港の偉大なる歴史をつくられた。大勝利です。 そのご苦労はいかばかりであったか、私はよく存じ上げているつもりです」  その言葉を聞くと、皆の目に涙が滲んだ。  伸一が一九六一年(昭和三十六年)に初訪問した時、メンバーは実質十世帯に満たなか った。座談会に集ったのも、わずか十数人であった。  その時に結成した香港地区が、今や香港本部となり、八千世帯を超える同志が、喜々と して信心に励んでいるのだ。まさに、千倍近い大飛躍を遂げたのである。  大聖人は、「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に 唱へつたふるなり、未来も又しかるべし」(御書一三六〇ページ)と断言されている。  この御金言を日本のみならず、世界各国で実現してきた唯一の団体が、われら創価学会 なのだ。 名字の言 2006.5.4 ▼「そろそろ信心やるから」。かかってきた電話は、久しぶりに聞く友の声だった。「え っ、どうしたの!」。突然の出来事にびっくり――仏法対話した18年前の記憶が鮮やか に蘇ってきた ▼対話の末、信仰の必要性は理解したが、友人は「やる時は自分から言う」とテコでも動 かない。その日から"一日も早く信心を"と祈っていた。あれから18年――入会記念勤 行会は、感動のドラマに沸き返った。今、地元の地区・支部に波動は大きく広がり、仏法 対話の渦が巻き起こっている ▼日本中の水田に、緑の苗が風にそよぐ季節を迎えた。日蓮大聖人は、妙法を語る作業を、 田に種をまく農作業に譬えた。友の「心田」に、妙法の種を植える対話に取り組む。共感 し入会する友もいれば、反発する人も ▼しかし「縦ひ信ぜざれども種と成り熟と成り必ず之に依て成仏す」(御書415ページ) と。心田に植えられた種は、やがて芽を出し成長し、信心に目覚めることは間違いないと 仰せだ ▼声は力である。声は希望である。飾り気のない率直な対話で、信心の素晴らしさをあり のままに語るその声が、聞く人の心を揺り動かしていく ▼さあ、新緑の日本列島に飛び出そう。心触れ合う対話から、新たなドラマが生まれる。  (涛) 北斗七星 2006.5.4 ◆鯉のぼりが、川の上空を泳ぎ始めたのは、いつのことだろう。♪甍の波と雲の波……高 く泳ぐや鯉のぼり、と童謡にうたわれた、田舎の原風景を見ることも少なくなった ◆5月5日は「こどもの日」。子どもたちの健やかな成長を願う親や家族の気持ちは今も 昔と変わらない。公明党の読書運動も、生きる力を育むために推進しているものだ。だっ こしながら読み語り掛けるお母さんの声と眼差しは、子どもたちへの最高の贈り物 ◆「うんとこしょ どっこいしょ」。取材先の広島県福山市で、読み聞かせグループのヤ ングママさんから、ロシアの昔話『おおきなかぶ』(福音館書店)の本を紹介していただ いた。短い物語の中に6回、このテンポのよい掛け声が登場してくる ◆おじいさんが、自分で育てた甘いかぶが抜けないので、おばあさんを呼び、孫や犬、猫、 ねずみの"手や足"まで借りて、心を一つにして「うんとこしょ どっこいしょ」と引っ 張って、「やっとかぶはぬけました」 ◆何回か繰り返し読んでいると、「かぶが抜けて良かった」だけでは一面的な読み方のよ うな気がしてきた。いつもなら、いがみ合い争う犬と猫、ねずみが助け合って働く麗しい 姿に、ほのぼのとした温かみを感じる ◆家族の絆や人のつながりが薄れつつある今日、大人が読んで考えさせられる本かもしれ ない。(康) ☆「わが友に贈る」☆ 諸天も大歓喜。 我らの心も大歓喜。 幸福の人生、万歳! 正義の人生、万歳! 高らかに勝鬨を! ―5月4日―