2006.6.3SP ――――――――――――――――――――――――――――――――――  西南政法大学「名誉教授証」授与式での名誉会長の謝辞(代読) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆◆◆ 「正しき人間」の確立へ共に ◆誇り高き西政精神      1 烈々たる使命感      2 間断なき闘争精神      3 麗しき団結      4 責任ある現実主義 【名誉会長の謝辞】(代読)  心より尊敬申し上げる、龍宗智(りゅうしゅうち)学長はじめ、西南政法(せ いなんせいほう)大学の諸先生方、ならびに、ご列席の皆さま方。  このたび、大中国の誇る名門・西南政法大学より、栄えある名誉教授の栄誉 を賜りましたことは、私にとりまして、最高無上の光栄であります。心より厚 く御礼申し上げます。  中国を代表する、高名な法学者であられる龍学長はじめ、諸先生方をお迎え でき、本日は、創価大学にとって、不滅の栄光の歴史を刻むことができました。  本来ならば、私自身が貴大学に参上すべきところ、ご多忙のなか、わざわざ ご来日くださり、その上、ご寛大にも、代理の受章を認めてくださったご厚情 に、心より感謝申し上げます。誠に誠に、ありがとうございました。  文明の母なる大河・長江(ちょうこう)と嘉陵江(かりょうこう)が合流し ゆく、悠遠(ゆうえん)なる重慶(じゅうけい)の天地は、古来、水上交易の 要衝(ようしょう)として栄えた、歴史と文化のロマンの大城(だいじょう) であります。  そして今や、3000万以上の人口を誇る世界有数の大都市として、貴国の 大発展を厳然と担(にな)い立たれております。  その重慶にあって、1953年の創立以来、半世紀にわたって、法曹界(ほ うそうかい)を中心に、10万を超える最優秀の逸材を送り出され、大中国の 躍進の原動力となってこられたのが、貴・西南政法大学であられます。  龍学長は、貴大学の誇り高き魂である「西政(せいせい)精神」について、 4点にわたって明快に論じておられます。  1点目は、人民のため、社会のために、何ものも恐れずに挺身(ていしん) しゆく「烈々たる使命感」であります。  2点目は、いかなる苦難にも断固として立ち上がりゆく「間断なき闘争精神」 であります。  3点目は、師弟を最大に重んじ、友情をこよなく尊ぶ「麗しき団結」であり ます。  そして4点目は、机上の空論を排して、人民と社会に深く根差し、誠実に献 身しゆく「責任ある現実主義」であります。  私は感嘆いたしました。まさに、ここにこそ、世界の指導者を育成しゆく、 偉大なる人間教育の理念が、余すところなく凝結しているからであります。  かつて、日本の凶悪な軍国主義は、貴国からの計り知れない文化の大恩を踏 みにじり、"水碧(あお)く、山青き"麗しき重慶に、無差別爆撃を重ねまし た。  歴史上、この「重慶大爆撃」を一つの端緒(たんしょ)として、何の罪もな い市民を巻き込む、忌まわしき無差別大量殺戮(さつりく)が世界に広がって しまった、とも言われております。  この軍国主義の暴走をもたらした一凶には、思想の根本的な乱れがありまし た。  そして本来、人間を律し、正していくべき法律までも、人間を縛り、苦しめ、 狂わせる凶器と化してしまったのであります。  軍国主義に反対し戦い抜いた、創価学会の牧口常三郎・初代会長、戸田城聖・ 2代会長を投獄に至らしめたのも、悪名高い治安維持法と不敬罪でありました。  龍学長は、こう鋭く喝破(かっぱ)されています。  「法治(ほうち)とは何か。それは、良き法をもって治め、悪法を厳しく排 除していくことである。人間を根本とし、人間の発展に寄与してこそ、良き法 である」と。  これこそ、法の原点であると、私は深く感銘いたしました。  悪法ゆえに獄死せしめられた牧口会長もまた、こう論じておりました。  「『法律』とは、悪に対する善の防御柵(ぼうぎょさく)である。『政治』 とは、悪に対する善の戦闘である。そして、『教育』とは、悪に対する予防で ある。善に対する擁護であり、奨励である」と。  ここに、創価教育の一つの柱があります。  うれしいことに、現在、多くの創価同窓生が、法曹界でも活躍しております。 また、新たに誕生した法科大学院の向学の友の健闘も、私は頼もしく見つめて おります。  ともあれ、正しき人間の確立なくして、正しき法の確立はあり得ません。  本日より、私もまた、貴大学の諸先生方と共に、「厚徳重法、博学篤行(こ うとくじゅうほう・はくがくとっこう))」との高邁(こうまい)な校訓を胸 に刻み、「人間教育の正道」を豊かに開き、「日中友好の王道」を力強く歩み 抜いていくことを、固くお誓い申し上げます。  結びに、崇高なる「人材の城」であり「正義の砦」であられる貴大学の源遠 流長(げんおんちょうりゅう)のご繁栄を、深くお祈り申し上げるとともに、 ご来臨(らいりん)くださいました先生方のご健勝を心からご祈念申し上げ、 私の御礼のごあいさつとさせていただきます。