2006.6.6SP ――――――――――――――――――――――――――――――――――  第2総東京最高協議会での名誉会長のスピーチ〔上〕 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆◆◆ 信念の声を! 強盛な祈りを! 勝利の突破口を! ◆◆◆ 月月、日日につより給へ 毎日が前進! 毎日が喜び! 【名誉会長のスピーチ】  一、最初に私にとって思い出深き英知の箴言(しんげん)を、皆さまに述べ させていただきたい。  インドの詩聖タゴールは綴った。  「健康というものが人間の肉体の完全な状態であるように、宗教というもの は人間性の完全な状態なのだ」(馬場俊彦訳「宗教的生命の覚醒」、『タゴー ル著作集第9巻』所収、第三文明社)  詩人の深い確信が脈打つ言葉である。  タゴールの盟友であったマハトマ・ガンジーは叫んだ。  「不断の成長が人生の法則である」(クリパラーニー編・古賀勝郎訳『抵抗 するな・屈服するな』朝日新聞社)  ガンジーは、こうも言った。  「わたしは、わたしの心がつねに成長し、つねに前進してゆくことを望んで います」(森本達雄・古瀬恒介・森本素世子訳『不可触民解放の悲願』明石書 店)と。  仏法もまた、「進まざるは退転」である。  恩師・戸田先生は厳しくおっしゃった。  「組織を陳腐化させてはならない。官僚主義で機械的に上がっていくような、 また、そつなくやっていればいいというような、組織になってはいけない」  「創価学会は、日進月歩、つねに生々(せいせい)発展する生きものなのだ」 と。  若き日の私は、広布のため、学会のために、師匠に全力でぶつかっていった。 それが私の青春の日々であった。  失敗を恐れては、前進はない。  叱られることを避けるようでは、成長できるはずがない。  戸田先生に、一番、叱られたのは私である。  だから鍛えられた。  本物となった。  不屈の自分自身の土台を築き上げることができたのである。  日蓮仏法の真髄は、「月月・日日につよ(強)り給へ」(御書1190ペー ジ)である。  ゆえに、きょうも、生き生きと語り合い、楽しく朗らかに学び合い、強く強 く前進していきたい。  わが境涯を限りなく開き、向上させていくための仏道修行であり、学会活動 である(大拍手)。 ◆牧口先生の御書  一、この6月6日は、創価の父・牧口常三郎先生の生誕135周年の記念日 である。  きょうは、ここ東京牧口記念会館で、牧口先生のご遺徳を偲びながら、第2 総東京のリーダーの皆さま方と有意義に協議を進めたい。  ここ東京牧口記念会館の顕彰室には、牧口先生が拝された御書が大切に保管 されている。  常に座右にあった、その御書には、至るところに傍線が引かれている。  なかんずく、「広宣流布」と記されたところの前後には、太く強く線が引か れていた。  たとえば ── 「法華経の第七巻には、こうある。『我が滅度の後、後の五 百歳の中に広宣流布して、閻浮提に於いて断絶させてはならない』と」(御書 258ページ、通解)、「闘諍堅固(とうじょうけんご)と記されている仏の 言葉は、地に落ちることなく(予言通りの世相となっているが)、これは、あ たかも大海の潮(しお)が、時を違(たが)えることなく満ち干(ひ)するよ うなものである。このような事実から考えてみれば、大集経(だいしゅうきょ う)の白法隠没の時に次いで、法華経の大白法が、日本国をはじめ一閻浮提に 広宣流布することも疑ってはならないことだろう」(同264ページ、通解) などの個所である。  さらに、御書の余白には、ご自身で「広宣流布」と赤字で書き込みをされて いる。  「一閻浮提への広宣流布」 ── この釈尊、そして、日蓮大聖人の仏意仏勅 を実現するために、牧口先生は、愛弟子(まなでし)の戸田先生とともに、決 然と未聞(みもん)の大闘争を起こされたのである。  大聖人の仰せのままに、「広宣流布の信心」を高らかに掲げて、法華経に説 かれる「猶多怨嫉(ゆたおんしつ)」「悪口罵詈(あっくめり)」の難を受け、 「三類の強敵」を打ち破ってきたのは、だれか。  牧口先生を原点とする、わが創価学会の三代の師弟のみである。  ここにこそ、大聖人の真の血脈は流れ通っているのだ。  この偉大なる創価の師弟の道を、今や世界190力国・地域の地涌の同志が、 胸を張って進みゆく時代に入った。  この6月6日は、SGIの「ヨーロッパの日」でもある。  全世界の同志が、創価の父の生誕の日を心から祝賀している。  牧口先生が、戸田先生が、どれほどお喜びになっておられることであろうか。 両先生の直系の弟子である私にとっても、これほど、うれしいことはない(大 拍手)。 ◆◆≪昭和52年の師走 立川文化会館で≫       ── いかなる逆境に対しても希望を生み出していけ。       ── 信心で立ち上がるのだ! ◆第2総東京は異体同心で!  一、「人は自らの信念のために声を発し、立ち上がらなければならない」  これも、マハトマ・ガンジーの言葉である。  今、日本中、世界中で、わが同志は、信念の声を発し、新たな出発に立ち上 がっておられる。  さらに、6月10日には、"創価の太陽"と輝く婦人部の結成55周年の佳 節を迎える。  全国の婦人部の皆さま、本当におめでとうございます! いつもいつも真剣と 真心の大闘争、本当にご苦労さまです(大拍手)。  広布に戦った人は必ずや、諸天善神から守られる。いざという時に助けてい ただける。だからこそ、戦うべき時に戦うのである。  わが第2総東京の友も、新しい時代の先頭に立って意気軒高である。  第2総東京には、麗(うるわ)しい異体同心の団結がある。  また、幹部同士が仲が良く、明るい。歩調が合っている。そういう組織で戦 えることは、幸せである。  かつての三多摩(さんたま)本部が、今の第2総東京の前身である「第2東 京」として新出発したのは、昭和46年(1971年)の11月であった。  今年で、35周年を迎える。  今日の目覚ましい「第2総東京」の大発展を、当時、一体、だれが想像した であろうか。 ◆縁(えにし)の深い立川の友よ  一、とりわけ、懐かしい、また縁の深い立川の友は、力強く、全国の先駆を 切って戦っておられる。  思えば、昭和52年の師走、完成したばかりの立川文化会館に、最初にうか がった時、私は居合わせた同志に申し上げた。  「日蓮大聖人は、あの流罪地の佐渡においてもなお喜悦(きえつ)はかりな し』と仰せになっている」  「私どもは、いかなる逆境に対しても、そこから希望を生み出していく強盛 なる祈りと信心によって立ち上がることだ」  「そして"自分は信心で勝った"と、雄々(おお)しく言い切れるような人 生の総仕上げをしていっていただきたい」と。  その後、皆さま方と数えきれぬ歴史を刻むことになった立川文化での私の第 一声は、「信心で断じて勝て!」であった。  「仏法は勝負」である。  かつて戸田先生は、愛する弟子に烈火のごとく叫ばれた。  「どんな戦でも全力を傾けて戦え!」  「だらしない戦いぶりで、戸田の弟子といえるか!」  勝ってこそ、弟子である。  勝ってこそ、広宣流布なのである。  その通りに、立川の同志は、そして第2総東京の同志は、人生と広布の断固 たる勝利また勝利の歴史を築いてくださった。  なにより、勝つことは楽しい。勝つことは愉快だ。  それは、激戦に次ぐ激戦を見事なる連続勝利で突き進んできた皆さま方が、 一番、ご存じであろう。  立川が勝てば、全国が勝つ!  どうか、誇り高く、創立80周年へ新たな連戦連勝の突破口を開いていただ きたい(大拍手)。 ◆勇者となって先陣を切れ!  一、戸田先生は折にふれ、おっしゃった。  「自分は立派な信心をまっとうせず、あちらこちらで愚劣な批判ばかりして いる邪魔者は追放せよ!」と。  建設的な意見には、しっかりと耳を傾け、大事にしていかなければならない。 ただし、愚痴とか、わがままは、組織をかく乱するだけだ。戦いの勢いを止め てしまう。  ゆえに、皆で厳しく戒(いまし)めていかなければいけない。  また、牧口先生が傍線を引かれた御聖訓にこうある。  「たとえば、ひどい旱魃(かんばつ)の時に、小雨を降らせば、草木はいよ いよ枯れ、兵を打つ時に、こちらが弱い兵を先に向かわせると、強い敵は、ま すます力を得るようなものである」(御書37ページ、通解)と。  戦いというものは、中途半端にやれば、かえって相手を利してしまう。  先陣を切るのは、最強の勇者であらねばならないとの仰せである。  「可もなく不可もなく」では名将とはいえない。  勇んで最激戦地に飛び込み、すべての同志を奮い立たせ、邪悪と戦い、大き く活路を開いていく、勇気と慈悲のリーダーであっていただきたいのだ。 ◆◆◆ 〔広宣流布の信心〕を受け継げ      ──  「三類の強敵」と戦い抜いた創価の師弟 ◆≪ウクライナの大哲学者≫「生きることの証(あかし)は行動の中にある」 ◆≪ヘレン・ケラー≫「最も楽しいことは困難に打ち勝つこと」 ◆素晴らしい信心 素晴らしい人生  一、目、耳、口の自由を失うという"三重苦"に負けず、社会のため、人々 のため、不滅の貢献を果たしたアメリカの女性、ヘレン・ケラー。  彼女が交わした、忘れ得ぬ一問一答がある。   ── どのような人々が最も不幸ですか?  「何もすることがない人々」   ── 最高の喜びをもたらすものは?  「働くこと、成し遂げること」   ── 人生で一番楽しかったことは何ですか?  「困難に打ち勝つこと」  仏法に通ずる、人生の真髄である。  何かに挑戦し、何かを成し遂げる人生こそ、幸福な人生である。  同じ仕事をするならば、人よりも努力し、うんと働いて、大きな成果を出す。 勝利の証を示す。  そういう、栄光の歴史を綴っていきたい。  先日、私は第2総東京の女子部の代表に申し上げた。   ── 素晴らしい「信心」が、素晴らしい「人生」を創る。  深い「祈り」によって、深い「幸福」の土台ができあがる。  毎日の勤行は、未来永遠につながる幸福へ出発する「きょう」を創っていく ことである。  信心することで批判中傷を受けることは、揺るぎない幸福のために、ありと あらゆる不幸の汚れや傷、垢を落としてくれる。  広宣流布のために迫害を受けることは、厳しい社会のなかで、永遠の勝利を 形作ってくれる試練である。  皆さん方の折伏の対話、仏法の対話は、どんな為政者の演説よりも、どんな 有名人の言々句々よりも、はるかに深く人々を救済できる原動力なのである。  仏法ほど「慈悲」が深いものはない。  仏法ほど「勝利」が広いものはない。  仏法ほど、高い高い「幸福の塔」を築けるものはない。"  信心の世界には、まったく無駄がない。  学会活動は、無量無辺の自分自身の財宝、すなわち生命の最極の宝を磨いて、 大福運を増やしていくことなのである ── と。 ◆"幸福を数える"  一、信心の世界がどれほど崇高か。戸田先生は、分かりやすく、こう語って おられた。  「銀行の方々は、金銭の数字を数えている。  出版社の方々は、本の部数を常に念頭においている。  創価学会は、地球上で最も尊厳な生命を守り、どれだけの人に妙法を受持せ しめ、幸せにしたかということを数えるのである」  幸福を数え、幸福を増やす日々 ── なんと尊い人生であろう。  さらに戸田先生は、こう断言しておられた。  「どのような状況にあっても、自分自身が、深く『偉大な信心』に立てば、 すべてを開いていける」  これらはまた、牧口先生の教えでもあった。  牧口先生は、「一切の法は皆、仏法である」(御書563ページ、通解)と の御金言を深く拝された。  そして「信心即生活」「仏法即社会」の道を広々と示してくださった。  また牧口先生は、「この法門を説くと、必ず魔が現れるのである。魔が競い 起こらなかったならば、その法が正法であるとはいえない」(同1087ペー ジ、通解)の一節を繰り返し語られた。  そして、「三障四魔に打ち勝つ信心」「難を乗り越える信心」を教えてくだ さった。  さらに牧口先生は、「仏法というのは勝負を第一とし」(同1165ページ、 通解)、「仏法というのは道理である。道理というのは主君のもつ力にも勝つ ものである」(同1169ページ、通解)との御聖訓を通し、「絶対勝利の信 心」を打ち込んでくださったのである。  牧口先生は、「すべてにおいて現証に勝るものはない」(同1279ページ、 通解)、「現証をもって決着を付けよう」(同349ページ、通解)との御文 の通り、「現証」を最大に大切にされた。  そして、この偉大な仏法を、現実社会の真っただ中で、「実験証明」してい かれたのである。  牧口先生が切り開かれた道が、どれほど正しかったか。  今、世界の最高峰の知性が賞讃を惜しまない時代となった。 ◆精神に光を!  一、この4月28日、意義深き「立宗の日」に、私は、ヨーロッパの名門・ 国立ウクライナ工科大学(キエフ工科大学)より、名誉博士号を受章した。  こうした栄誉は、すべて、不二(ふに)の同志の皆さまのご尊家が、子孫末 代にわたって、"大博士の英知"に光り輝いていく象徴である。私は、そう確 信している。  「数千人の愚者に誉められるよりも、聡明で善良な一人の智者に愛され、尊 敬されるほうがよい」  これは、「ウクライナのソクラテス」と謳われた、18世紀の哲学者スコヴ ォロダの言葉である。  今や、創価の連帯と大前進は、「一人の智者」どころか、世界中の数多くの 識者が絶讃し、大きな期待を寄せている。  聡明で、善良な人であればあるほど、私たちの運動の本質を鋭く見抜き、正 しく評価してくださっている。  この大学のズグロフスキー総長は、ウクライナの教育大臣も歴任され、「数 学」や「人工頭脳学」の大変な権威でもあられる。  総長とは、対談集の発刊に向けて、新たな対話を開始した。  ズグロフスキー総長はこう語っておられた。  「世界は今日、エゴイズムや新しい民族主義などが暴走し、テロなどが多発 する様相になっています。  今、人類には、平和、人間主義、互恵(ごけい=互いに恩恵を与え合うこと) といった『精神的な価値哲学』が必要です。  その人類の求めに応じようとしているのが、まさに創価学会であり、世界の SGIだと思います」  精神的な価値に光を当て、その力と可能性を最大限に引き出すのが、創価の 哲学である。  哲人スコヴォロダは述べている。  「いかなる人も、内面の心に応じた姿を見せる。人間の内面すべてを取り仕 切るのは心である。心こそ、真の人間の姿である」  心こそ大切 ── まさに仏法と響き合う言葉である。  〈ズグロフスキー総長は、「池田会長と語らいの時を持つことは、世界の多 くの学者、教育者、文化人にとっての夢であると思います」とも語っている。  また総長は、20年前にウクライナで起きた「チェルノブイリ原発事故」の 歴史を踏まえつつ、こう語っている。「今後、怖いのは、人間の頭脳と心の中 で起きる事故です。爆発です。だからこそ、池田会長の思想哲学が大事なので す」「池田会長の存在、創価学会の存在は、ますます大きくなってきていると 思います」〉 ◆現証を示す宗教  一、さらに総長は、こうも言われた。  「現実の生活の中で、『現証』を示せる宗教を探すことは至難なことです」  「迷信などに基づいた宗教が多い中、創価学会の思想のように、科学的なア プローチのできる哲学は、他にありません。  創価学会は、世界の人々が希求するものに応えようと、実生活の中で実験証 明し、社会に貢献しているのだと思います」  牧口先生が示された、現実に根ざした「実験証明」のあり方が正しいことを、 世界の知性が讃えているのである。  スコヴォロダは述べている。  「生きるということの最も尊い証(あかし)は、行動の中にのみある」  どうか、一人ひとりが、一段と、はつらつと「功徳の現証」を示し、「勝利 の実証」を示していっていただきたい(大拍手)。                   (〔下〕に続く)