2008年8月18日付 聖教新聞 ドクター部・白樺会・白樺グループ合同研修会での名誉会長のスピーチ 4=完 信心で師弟不二の勝利劇を! 負けじ魂わが胸に 大いなる希望を友に 一、皆さんもご存じの通り、日蓮大聖人の門下には、名医の四条金吾がいた。  師の仰せ通りに幾多の難を乗り越え、勝ち越え、社会に信頼と勝利の旗を打ち立てた。  とともに、医学の心得を存分に生かして、大聖人の御健康をお護り申し上げた。  はるばる身延に馳せ参じて、懸命に大聖人の治療に当たり、衣食の環境も整えた。  そのおかげで大聖人は快方に向かわれ、「このたび私の命が助かったことは、ひとえに釈 迦仏が、あなたの身に入りかわって助けてくださったと思っております」(御書1185ペ ージ、通解)と、心からの感謝を綴っておられる。〈弘安元年(1278年)10月〉  「四条金吾殿は同志を護る人」  一、翌年の弘安2年に大聖人は、病魔と闘う富木常忍の夫人に対し、「(あなたには)善 医がいます。四条金吾殿は法華経の行者です」(同985ページ、通解)、「(金吾は)極め て負けじ魂の人で、自分の味方(信心の同志)を大切にする人です」(同986ページ、通 解)等と励まされている。  大聖人がどれほど金吾を信頼しておられたか、うかがうことができよう。  わがドクター部も、「負けじ魂」を燃やして、同志を守り抜き、信頼される「妙法の善医」 となっていただきたい。  これが、牧口先生、戸田先生の願望でもあったからだ。  一、カナダ・モントリオール大学の学長を務めた、ガン研究の第一人者であるルネ・シ マ一博士は語っておられる。  「医者と患者の聞のコミュニケーションでは、あらゆる機会をとらえて、患者に希望を もたせるように心がけるべきです。  患者が医師と治療の結果を信じ、苦しみを克服し、不安や苦痛に耐えていけるのは、ひ とえに、この希望があるからです」と。  医師の皆さんは、患者に「希望」を贈っていただきたい。これは医療の世界だけに限ら ない。どんな分野であれ、リーダーは皆に「希望」と「指針」を示す責務があるといえよ う。  戸田先生も、まことに厳格で、厳しい先生であったが、弟子である私たちに大いなる希 望を持たせてくれた。  一、また、同大学の教育学部教授で生命倫理の権威であるギー・ブルジョ博士は述べて おられる。  「(医師には)専門的な医師としての立場とともに、パートナーとしての多角的で相互補 完的で、意識的で配慮に満ちた行為が求められるのです」  シマ一博士、ブルジョ博士のお二人と私は対談集『健康と人生──生老病死を語る』を 発刊している。  医者は、患者のパートナーとして──ブルジョ博士のこの指摘は、ますます重要になて くると思う。  「まことの時」に模範を示せ  一、さらに、四条金吾に与えられた御書を拝していきたい。  弘安元年の9月。大聖人は金吾に、こう仰せになられた。  「日蓮の死生を、あなたにおまかせしています。他の医師は、まったく頼まないつもり でおります」(御書1182ページ、通解)  師からこれほどまでの信頼を勝ち得た四条金吾の生命の誉れは、永遠に不滅である。  四条金吾は、あの「竜の口の法難」の折も死を覚悟して駆けつけ、大聖人にお供した。  佐渡へ流罪された大聖人のもとへも、馳せ参じた。「まことの時」(同234ページ)─ ─いざという時に、師弟不二の模範を示し切ったのである。  さらに、夫人の日眼女も、金吾と共に、大聖人に真心を込めてお仕えした。厳寒のなか、 日限女がお届けした白小袖の衣を、大聖人が、それはそれは喜ばれた様子も御書に留めら れている。〈同1195ページ〉 御聖訓 火をおこすのに途中で休めば火は得られない  「仏法と申すは道理なり」  一、四条金吾は、夫妻で同志と力を合わせて、広宣流布のために生き抜いた。  金吾の強みは何か。  それは、大聖人から直々に厳しい薫陶を受けたことである。  そして、いささかもぶれることなく、師の仰せ通りに進み抜いたことである。  大聖人は金吾に"難を勝ち越える信心"を徹して教えられた。  「此の経を持たん人は難に値うべしと心得て持つなり」(同1136ページ)  「法華経を持ち奉るより外に遊楽はなし現世安穏・後生善処とは是なり、ただ世間の留 難来るとも・とりあへ給うべからず」(同1143ページ)  「災いも転じて幸いとなるであろう。心して信心を奮い起こし、この御本尊に祈念して いきなさい。何事か成就しないことがあろうか」(同1124ページ、通解)  「法華経の信心を・とをし給へ・火をきるに・やす(休)みぬれば火をえず」(同111 7ページ)──火をおこすのに、途中でやめてしまえば、それまでの苦労も無駄になって しまう。信心も同じだ。中途半端では負けてしまう。  「ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべからず候」(同1193ページ)の有 名な御聖訓も、金吾に宛てられたものだ。  信心こそ最高の勇気である。信心こそ最高の正義である。  また大聖人は、金吾に"絶対勝利の信心"を打ち込まれた。  「仏法と申すは勝負をさきとし」(同1165ページ)。また、「仏法と申すは道理なり道 理と申すは主に勝つ物なり」(同1169ページ)と。  さらに大聖人は、「強盛の大信力を出して、法華宗の四条金吾、四条金吾と鎌倉中の上下 万人および日本国の一切衆生の口にうたわれていきなさい」(同1118ページ、通解)、 「120歳まで長生きし、名を汚して死ぬよりは、生きて1日でも名をあげることこそ大 切である」(同1173ページ、通解)等と励まされている。  「短気になるな」  一、大聖人は金吾に対して、「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」(同1 192ページ)の指針を根本として、人生に勝つための人間学を事細かに教えておられる。  また、「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(同1163ページ)と、油断大 敵の心構えを刻みつけられた。  「わが味方の人々のことは、少々の過ちがあっても、見ず聞かずのふりをしていきなさ い」(同1169ページ、通解)とも仰せである。  同志を大切にしていくことは、一人一人の広宣流布の種を育てることに通ずる。  とくに、婦人部、女子部を最大に尊重していくことである。  「大聖人は仰せである。  「賢人は八風と申して八のかぜにをかされぬを賢人と申すなり、利(うるおい)・衰(お とろえ)・毀(やぶれ)・誉(わまれ)・称(たたえ)・譏(そしり)・苦(くるしみ)・楽(た のしみ)なり」「此の八風にをかされぬ人をば必ず天はまほらせ給うなり」(同1151ペ ージ)  「自分に勝つ」人が真の賢人なのである。  金吾が怨嫉され、敵から狙われている時には、「(服装は)あざやかな小袖や、目立つよ うな色のものなどは着ないように」(同1171ページ、通解)とも注意された。  また、「乗る馬を惜しんではいけない。いい馬に乗りなさい」(同1186ページ、通解) 等々、こまやかに心を砕かれている。  さらに──  "短気を起こすな"  "洒に気をつけよ"  "女性を叱るな"  等々、いずれも、当時の金吾の境遇に適った、具体的かつ大事な指導である。  師匠とは、何とありがたい存在であるか。そのありがたさがわかる金吾であった。彼は こうした大聖人の仰せを深く心に刻み、その仰せのままに戦おうと、一念を定めた。大事 なのは、弟子が一念を決めることである。 御聖訓  毀る人にはいよいよ強く説き聞かせよ  「負けない人」は身を惜しまない  一、金吾は、「妙法を毀る人には、いよいよ強く、説き聞かせるべきである」(同112 3ページ、通解)との大聖人の仰せ通りに、堂々と正義を叫び抜いた。悪に対しては痛烈 に攻撃していった。  怯まずに戦いながら、金吾は一つ一つ、苦難を跳ね返して、自分自身の地盤を築いてい った。  大聖人は金吾に、こう言われている。  「『四条金吾は、主君の御ためにも、仏法の御ためにも、世間に対する心がけも立派であ った、立派であった』と鎌倉の人々から言われるようになりなさい」(同1173ページ、 通解)  その通りに金吾は、職場でも、地域でも、見事に結果を示していったのである。  金吾は、師匠と直結したゆえに「師子」となった。師匠にお供して恐れなく進んだゆえ に「師子」となった。  師のために、わが身を惜しまず戦い切ったゆえに、何ものにも負けない、永遠に讃えら れる偉大な「師子」となったのである。 自分に勝て!それが真の賢人  「法華経の命を継ぐ人」に  一、大聖人は記されている。  「たとえ殿(=四条金吾)の罪が深くて地獄に堕ちられたとしても、その時は、日蓮に 『仏になれ』と釈迦仏がどんなに誘われようとも、従うことはないでありましょう。あな たと同じく、私も地獄に入りましょう。  日蓮と殿とが、ともに地獄に入るならば、釈迦仏も法華経も地獄にこそおられるに違い ありません」(同1173ページ、通解)  さらにまた、金吾にこうも仰せである。  「あなたの事は、絶えず法華経、釈迦仏、日天子に祈っているのである。それは、あな たが法華経の命を継ぐ人だと思うからである」(同1169ページ、通解)  「師弟不二」の心とは、これほどまでに深いものなのである。そして、これが学会の師 弟の原浬でもある。  牧口先生と戸田先生、戸田先生と私は、この師弟の原理のままに歩んできた。  だからこそ、だれ人も想像できない、今日の世界的な創価学会を築き上げることができ た。  今こそ、師匠の命を継ぎ、仏法の命を継ぎ、学会の命を継ぎゆく、真の後継者が躍り出 る時だ。  ドクター部・白樺の皆さんは、十羅刹女の誓願、また耆婆と四条金吾の師弟の闘争に連 なる方々である。  ともどもに、末法万年尽末来際のために、この世で最も尊極な「師弟不二」の勝利の劇 を、厳然と残しゆくことを決意し合いたい(大拍手)。  (2008・8・9) ドクター部・白樺会・白樺グループ合同研修会での名誉会長のスピーチ 4〔完〕