2008年10月7日 聖教新聞 人間世紀の光 168 離島の同志万歳! 下??? 山本 伸一 心は一つ! 創価の師弟の旗高く 堂々と ついに勝ちたり 宝島  日蓮大聖人は、遠く離れた島で、健気に奔走する千日尼に、書き送られた。  「御身は佐渡の国にをはせども心は此の国に来れり」(御書一三一六ページ)  たとえ会えなくとも、広宣流布に生きゆく師弟の心は、いつも一体なのである。  創価の異体同心の大前進の回転軸となっているのが、本部幹部会等の衛星中継である。  スタートしたのは、平成元年(一九八九年)の八月に行われた大東京の第一回の総会か らであった。  以来、二十年目を迎えた。一回一回の衛星中継を、真剣勝負で完璧に運営してくださっ ているSHN(SGI・ヒューマン・ネットワーク)、またサテライト・グループをはじめ 関係者の方々に、私は改めて心から感謝を捧げたい。  創意工夫を凝らした画面の字幕も、「わかりやすい」と誠に好評だ。  さらに、これまでの衛星中継に加えて、「インターネット中継」が全国に喜びを広げてい る。  このインターネット中継は二年ほど前に開始され、その後の技術革新と、担当者の尽力 で全国的に展開され、今年の四月から大規模な拡充が図られた。  その結果、七月までに、離島や山間部など全国二百二十九会場に、本部幹部会の映像(動 画)を送れるようになったのだ。会場提供の方々にも、深く御礼申し上げたい。  これまで"音声中継"もなかった地域や、都市部でも、高齢者の方々が多く、最寄りの会 館へ遠いという地域も含まれている。  最も大変な使命の国土で、最も真剣に戦い抜いてこられた同志である。  ああ、あの地域の同志とも、さらに一重強く、心の絆を結べたな──と、嬉しさもひと しおである。  会合後に寄せられる喜びの声も、どれほど深く、どれほど強く胸を打たれることか。全 国の津々浦々から届く感動の報告を拝見し、妻は目を潤ませながら、お題目を送らせてい ただいている。  皆、あまりにも尊き仏様であられる。一人ももれなく、健康でご長寿であられるよう、 そして、それぞれの島のご繁栄を、朝な夕な、夫婦して祈り続ける日々である。     ◇  沖縄本島から約四百キロ離れた東海上に浮かぶ、南大東島、北大東島の同志のこともお 聞きした。  ──島の同志が待ちに待った初の中継日、続々と集って来た友が、嬉しそうに受像機の 前に陣取られた。  "ネット中継"の操作担当者が緊張の面持ちで、通信機器のボタンを押した。映像が映し 出されると、  「わーつ」と歓声と拍手と笑顔が弾けた。涙を浮かべて喜ばれる方もおられた。  「我らの島に、先生と全国の同志が来てくれた!」と、終了後も感動はおさまらなかっ たと伺っている。  鹿児島市の南西ほぼ二百キロ海上にある、トカラ列島の口之島での中継には、光る海外 の友の姿に、「仏法が本当に世界に広がっていることを実感できた」とも語っておられた。  中継が行われる香川県の伊吹(いぶき)島、高知県の柏(かしわ)島、熊本県の天草諸 島の御所浦(ごしょうら)島等でも、友情と信頼の拡大は目覚ましい。  さらに、日本海に浮かぶ北海道の天売島(てうりとう)──。  私は十六年前に旭川を訪れた折、島の一粒種である"広布の父"に、天売訪問の思いを句 に詠み贈った。  いつの日か   約束はたさむ       天売島  島の友は、インターネット中継を、その約束の実現と喜んでくださっている。  どの島でも、広宣流布の歩みは、幾多の三障四魔との戦いであった。だが、自分こそ島 の広布の責任者との覚悟で歯を食いしばり、厳に揺るがぬ信頼の根を張ってこられたのだ。  悪逆の日顕宗の坊主らに断固として打ち勝った、大誠実の壱岐・対馬の友の顔も晴れ晴 れと輝いている。  御書に幾たびも「壱岐・対馬」と記され、深く深く心に懸けておられた大聖人が、いか ばかり喜び讃えてくださっていることか!  今、約二百四十の島々で、わが友は誇り高く、創価の旗を打ち立てておられる。  あの島からも、この島からも轟いてくる歓喜の波音は、"正義の楽土はここにあり!"と の、勝利宣言と思えてならないのだ。 時代を動かす万波も? 先駆の一波から!     ◇  フランスの文豪ビクトル・ユゴーは叫んだ。  「この世界に必要なものは正義と真実があるのみである」  ユゴーにとって、離島は、正義の信念の要塞であり、真実の言論の大城となった。  亡命したラマンシュ海峡(イギリス海峡)の島々から、ユゴーが傲慢な権力を「懲罰」 する言論の弾丸を放ち続けたことは、あまりに有名だ。傑作『レ・ミゼラブル』も、その 一つ、ガーンジー島で書き上げられたものである。  彼は痛烈に言い放った。「敵の権威が強ければ強いほど、自分が勇気を奮いい起こすこと が出来る」  「権威というものは常に勇気に負ける」  わが離島の不屈の同志も、「勇気」の二字で勝ち抜いてきた。  鹿児島・奄美諸島では、かつては、村八分や学会排斥のデモなど、旧習の分厚い壁のな かで、迫害の暴風が吹き荒れた。  しかし、同志の皆様は、地域の実情に即し、地域の視点に立って、"地域貢献こそ広宣流 布"と、懸命に戦ってこられた。私の初訪問から四十五周年を迎えた今、理解と共感が広が る「希望島」を見事に築いてくださった。  嬉しいことに、この奄美の加計呂麻(かけろま)島、請(うけ)島、与路(よろ)島で も、本部幹部会のインーネット中継が行われている。  ユゴーは「民主主義は人民をまもる」と訴えた。「生命尊厳の哲学」を掲げゆく創価の友 の生き生きとした対話こそ、わが愛する島々に、民主主義の理想郷、人間共和の光城(こ うじょう)を築き上げゆく原動力なのである。     ◇  御金言に「一人を手本として一切衆生平等」(同五六四ページ)と仰せである。一人の成 仏が「手本」となって、万人の成仏の大道が開かれる。そして弟子は、師の勝利を「手本」 として二陣三陣と続き、必ず勝利していくのだ。  「仏法は勝負」である。  私は、戸田先生の弟子として、常に一番大変な所で先駆の戦いを起こし、敢然と勝利し てきた。  この一波が十波、百波、千波、そして万波と波及する。時代を動かす変革のうねりが起 こっていくのだ。 先生は叫ばれた。  「最も行きづらい所にこそ、真っ先に行け! 最も大変なことにこそ、真っ先に挑戦せ よ!」  最も困難な場所で勝ってこそ、仏法の法力を、師弟の偉大な力を示していくことができ るからだ。  師弟不二で立った一人から万人へ、一地域から全国へ、世界へ──これが創価の民衆運 動の方程式だ。  この師弟勝利の魂をば、深き誓願の使命の天地で、厳然と継承されているのが、離島部 の同志である。  ゆえに、私は叫びたい。  離島の同志から学べ!勝利の勇気を学び抜け!     ◇  有名な御聖訓には、「心の一法より国土世間も出来することなり」(同五六三ページ)と 説かれる。  わが離島の友の創価の心は、明るく賢く、島の国土を輝かせていく光だ。  世界の島々とも、大きく友情が広がっている。  十年前の十月、韓国・鬱陵(ウルルン)島の鄭宗泰 (チョンジョンテ)郡守ご一行が、 花の八丈島研修道場を訪問され、和やかな交流を結ばれた歴史も思い起こされる。  韓国の思想家として名高い韓龍雲(ハンヨンウン)先生は言われた。  「感謝の心!そこに理解もあり、尊敬もある。満足もあり、平和もあるのだ」  美しき心が光る島は、新たな歴史を開く大舞台であり、新たな文化を創りゆく電源地で ある。  古代ギリシャの大哲人プラトンは、地中海のシチリア島で正しき社会のために奔走する 弟子を励ました。  「全世界の人びとが君だけに注目している」  私も声を大に叫びたい。  わが離島の誉れの弟子たちよ! 絶対の愛弟子たちよ! 全世界の友が見つめ讃えてい る。  三世十方の仏菩薩も、無量無辺の諸天善神も見つめ、守護している。  我らの一切の戦いは、広宣流布のためである。  そして、我らを見守り、大勝利を待ってくださっている日蓮大聖人に、お応えしゆくた めである。  創価の師である牧口先生、戸田先生の平和と正義の大願を、"妙法の巌窟王″となって実 現するためである。  それを思えば、力は無限に湧いてくる。  さあ、いよいよ、これからだ!  にぎやかに希望の銅鑼を打ち鳴らしながら、いざ船出しようではないか。  堂々と   ついに勝ちたり     宝島   何と嬉しき    久遠の同志よ (随時、掲載いたします)  ユゴーの言葉は、最初が「小人ナポレオン」(『ユーゴー全集10』所収)本間武彦訳(ユ ーゴー全集刊行会)、第2、第3が『ユウゴオ論説集』榎本秋村訳(春秋社書店)=以上、 現代表記に改めた。第4は『世界文学全集44  レミゼラブル2』井上究一郎訳(河出書房新社)。翰龍雲はキムサンヒョン編『韓龍雲語 録』(詩と詩学舎)=韓国語版。プラトンは田中美知太郎著『プラトン1』(岩波書店)。 ?????????? 人間世紀の光 168 離島の同志万歳! 下〔完〕