2008年11月2日付 聖教新聞 新時代第23回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上−1 勇気の行動で歴史を開け 対話こそ平和建設の王道 妙法は絶対勝利の法則 近代日本の先駆の女性・上村松園画伯の叫び 「今に見ろ!」「負けるものか!」  〈スピーチの前に、全員で健闘を讃え合い、「わが家、万歳!」「汝自身、万歳!」「わが 同志、万歳!」と万歳三唱を行った〉  大晴天も祝福!  一、きょうは、大晴天の本部幹部会となりました。みんな、元気そうで、本当にうれし い! いつも、ありがとう!(大拍手)  私からは、懇談的に話をさせていただきたい。  私どもが唱える南無妙法蓮華経は、永遠不滅の勝利の法である。  ゆえに、それを持ち、唱えた人が、不景気に沈んでいたり、負け人であったり、情けな い人生の敗残兵になることなど、絶対にないのである。  私たちは、人間にとっての最高峰の法を持っている。宝剣を持っている。財宝を持って いる。  それが妙法だ。  ゆえに、断じて負けない。どんなに苦しいこと、辛いことがあっても、最後は必ず勝つ。  それが仏法である。皆さん、頑張ろう!(大拍手)  戸田先生は、悠然とされ、「お金は、世の中に、いくらでも回っているのだから、福運に よって、上手に穴をあけられれば、こっちにドーツと入ってくるものだよ」と語っておら れた。  大事なのは「信心」である。変化、変化の時こそ、確かなる「原点」を忘れてはならな い。  一、きょうは、私どもの同志である、真実の僧侶の代表が参加してくださっている。〈青 年僧侶改革同盟が出席した〉  皆さんは、大切な広宣流布の誓いを裏切ることなく、まっすぐに正義の道を進んでおら れる。立派です。きょうは本当にありがとう!(大拍手) 上村画伯  人生には雨があり風がある  様々な苦しみを通り抜けると  人は本当に強く生きられる  ヤング・パワーが結成40周年!  一、広布の華・芸術部の皆さんも、いつも、ありがとう!  芸術部の「ヤング・パワー」の結成40周年、おめでとう!(大拍手)  わが芸術部が一人いれば、100人の力に匹敵すると言われている。"戦う芸術部"に対 する、全国の同志の信頼は抜群だ。本当によく頑張ってくださっている。  きょうは、芸術部の皆さんのためにも、近代日本を代表する女性画家、上村松園画伯(1 875〜1949年)について、少々、語らせていただこうと思う。  上村画伯と言えば、気品ある「美人画」で大変、有名である。  と言っても、なかには、知らない人もいる。反対に画伯の絵が大好きという人もいるだ ろう。  現実に、いろいろな人がいる中で、相手に応じ、状況や場所に応じて、ユーモアを交え て和ませたり、時には、「さすがだな」と感心させるような、味わいのある話をしてあげる ことも必要だ。  そうしたことを、一つ一つ見極めながら、人々の心を打つ語らいをしていくのが、創価 のリーダーの責任である。  勇猛心こそ!  一、先駆の女性として、絵画の道を進んだ 上村画伯は、周囲の無理解や、嫉妬の嫌がらせなど、多くの苦難と闘い抜き、打ち勝って いった。  上村画伯は、断固として叫んだ。  「気の弱いことでどうなる」(上村松園著『青眉抄』三彩社)  「ナニ負けるもんか」(上村松園者『青眉抄その後』求龍堂)  「女は強く生きねばならぬ」(『青眉抄』)  京都出身の上村画伯は、「勇猛心」を重んじた。  まさしく、「負けたらアカン」を合言葉とする、わが関西婦人部の心に通じる方である(大 拍手)。  人材を見つけよ登用し、伸ばせ  一、さらに上村画伯の言葉を紹介したい。  「よい人間でなければよい芸術は生まれない。これは絵でも文学でも、その他の芸術家 全体に言える言葉である」(青眉抄』)  その通りだと思う。  一切は人間で決まる。人材で決まる。  人材を見つけ、人材を登用し、人材を伸ばしていくことである。  画伯はまた、当時の絵画の世界で、師匠を自分の出世の道具に使うような風潮があるこ とに警告を発して、こう綴っている。  「この人ならばと目指して弟子入りした人であるとするならば、その師匠こそこの世で 唯一人の頼む人で 他には比較されるべき人さえない筈なのです」(『青眉抄その後』、現代 表記に改めた)  どこの世界でも、師弟はある。  しかし、自分が功を成すことを急いで、お世話になった師匠を利用し、ないがしろにす る。そういう不知恩の弟子にだけは、絶対になってはならない。その画伯の心が、私には、 よく分かる。 無冠の友に心から感謝 輝く芸術部に栄光あれ  「難こそ安楽」  一、画伯は、次のようにも記している。  「凝ッと押し堪えて、今に売ろ、思い知らしてやると涙と一緒に歯を食いしばらされた ことが幾度あったか知れません」(同)  「人生には雨があり風があり、沈むばかりに船が傾くことがありますように、私もさま ざまな艱難辛苦の時を経てまいりました」(同)  「これほど苦しむなら生きているより死んだ方が、楽に違いないと本気で思ったことが、 幾度もございました。そんな所を、幾度も通り抜けますと、人はほんとうに、強く強く生 きられるものでございます」(同)  何の悩みも、苦労もない。困難もない。それが幸福なのではない。  大聖人は、「難来るを以て安楽と意得可きなり」(御書750ページ)と仰せである。  厳しい試練が襲い来るたびに、「自分が強くなるチャンスだ!」と喜び勇んで立ち向かっ ていくことだ。それが、学会精神である。仏法の真髄の生き方である。  その「戦う心」の中にこそ、幸福があり、勝利があり、満足がある。  〈上村松園画伯の「美人画」は東京富士美術館の「女性美の500年」展(2001年) などで展示され、「東洋の洗練された美」が鑑賞者を魅了した〉  師との出会い  一、戸田先生が愛読された日本の作家の一人に、山本周五郎氏(1903〜1967年) がいる。  氏の作品から、次の一節を贈りたい。  「おのれを『無くてはならぬ人物』にまで錬えあげることもまた重要なことなのだ、そ して現代青年にもっとも望むべきはこの一点であろう」(『抵抗小説集』実業之日本社)  青年部の諸君、頼むよ!〈会場から「ハイ」と勢いよく返事が〉  さらに、日本の物理学者・中谷宇吉郎博士の言葉を紹介したい。  中谷博士は、戸田先生と同じく、1900年、現在の石川県加賀市に誕生した。  その中谷博士が、恩師の寺田寅彦博士を讃えて、このように綴ったことは有名である。  「先生の如き人こそわれ等が同時代に生れた光栄を喜ぶべき第一の人であろう」(『中谷 宇吉郎随筆選集第1巻』朝日新聞社)                          若き私には、戸田先生がいらっしゃった。それが私のすべてであった。  偉大な師匠との「出会い」ほど、人生にとって大事なことはないのである。  未来を開く対話  一、私と世界の識者の対談集は、トインビー博士との対談をはじめ、50点を超える。  トインビー博士との出会いは、博士のほうから、お手紙をいただいたことが、きっかけ であった。  仏法について深く知りたい。あなたと対談したい──とのお心であった。  当時、博士は80歳。海を渡る長旅は難しい。そこで博士は、私をロンドンの自宅に招 待してくださった。こうして"人類の未来のための対話"が始まったのである。  今や対談者は全世界に広がっている。国家元首、国連のリーダー、世界的な科学者、文 豪、芸術家、哲学者、宇宙飛行士、ジャーナリスト、人権の闘士など、いずれも各界の第 一人者の方々である。  その分野は歴史、文学、哲学、経済、教育、環境、法律、宗教社会学、数学、天文学、 化学、物理学、医学、平和学、文化人類学、未来学、指導者論、青年論、女性論など万般 にわたっている。  さらにキリスト教、イスラム、儒教、ヒンズー教など、文明と文明を結ぶ対話でもある。  現在、月刊誌上で連載中の対談は、チョウドリ前国連事務次長との「新しき地球社会の 創造へ」(「潮」)がある。  また中国の史学大師・章開●(しょうかいげん)博士とは「人間勝利の世紀をめざして」  (「第三文明」)。  名門ウクライナ国立キエフ工科大学のズグロフスキー総長との対談は「希望の世紀へ生 命の世紀へ」(「灯台」)。  アメリカ実践哲学協会のマリノフ会長とは「哲学ルネサンスの対話」(「パンプキン」)を 行っている。  さらに、準備を進めている分を含めると、対談集は約70点となる(大拍手)。  〈対談集をはじめ、池田名誉会長の著作の海外出版は、40言語・1000点を超す壮 大な広がりとなった。  とくに対談集には、世界の識者から──  「人類の教科書」(中国作家協会・孫立川(そんりっせん)博士)  「喧噪と対立の現代にソクラテスの対話を甦らせた」(モスクワ大学・トローピン元副総 長)  「"平和のための対談集"というジャンルをつくった」(フィリピン・リサール協会のキア ンバオ元会長)  「対話で人間を結び、人間を高め、平和と調和の世界を築くという大事業を成し遂げて こられた、池田先生のご貢献は、まさしく人類史に輝く壮挙です」(章聞●博士)──等の 声が寄せられている) 新時代第23回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下−2に続く 2008年11月2日付 聖教新聞 新時代第23回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上−2 朗らかに語れ! 生き生きと進め! 共々の正義の大叙事詩を 対談集は50点に 連載小説は『日本一』を記録!  友には温かく! 笑顔を忘れるな  一、わかりやすく語る。心に入るように話す──これは、よき対話の一つのポイントだ。 リーダーの大切な資質ともいえよう。  多くの人の前に立つ場合も、力ばかり入れるのではなく、温かな眼差しと笑顔で語るの だ。  "ともに仲良く進もう"という心が大切だ。自分は真剣なつもりでも、人から見ると、「こ わい顔」にしか見えないこともある(笑い)。  吉田松陰は、人と接する際の心得を、門下に、こう述べている。  「一言する時は必ず温然和気婦人好女の如し。是れが気魄の源なり」(山口県教育会編『吉 田松陰全集第9巻』岩波書店)  ふだんは、温かく、和やかに、品のいい女性のように話すがいい。それでこそ、いざと いう時に、気迫を出せるのだというのである。  お嬢さんのような笑顔、乙女のようなほほ笑みを忘れずに──峻厳な肖像を思い浮かべ て、"あの、おっかない顔をした松陰が"(笑い)と驚く人もいるかもしれない。  名指導者は、「なんて優しいんだろう」と、皆をほっとさせる。  "あの人には、何でも聞ける。文句も言える(笑い)"──そう女性の方々も安心するよ うな、ゆとりをもっことだ。  とくに、未来を担う青年部のリーダーは、心していただきたい。  『新・人間革命』の連載を再開  一、聖教新聞を配達してくださる「無冠の友」の皆様方、いつも本当にありがとう!  いらっしゃいますか?〈会場から「ハイ」と返事が〉  ありがとう! ありがとう!(大拍手)  おかげさまで、小説『新・人間革命』も、連載開始から15周年を迎える。  資料収集のため、休載の期間をいただいたが、この「11月18日」の創立記念日から、 連載を再開する運びとなった(大拍手)。  これで、第22巻に入ることになる。  新しい章(「新世紀」)は、1975年(昭和50年)が舞台である。  日本を代表する作家の井上靖氏や、大実業家の松下幸之助氏らと誠心誠意、対話を広げ た歴史も綴っていく。  『新・人間革命』の連載は、まもなく4000回を迎える。前の『人間革命』の連載と 合わせると、5500回を超えている(大拍手)。  〈新聞小説の連載では、これまで、山岡荘八氏の『徳川家康』が4725回で最長とさ れてきた。名誉会長の『人間革命』『新・人間革命』は、それを大幅に超え、日本一の記録 を更新している〉  応援してくださる読者の皆様方の真心に、心から感謝申し上げたい(大拍手)。  一、ご存じの通り、『新・人間革命』の冒頭を、私は、こう書き起こした。  「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。平和こそ、人類の進むべ き、根本の第一歩であらねばならない」  〈この一節には、世界の知性から"人類の永遠の命題を凝縮した指針"等と、共鳴の声が 寄せられている。アメリカ・デンバー市の「池田桜庭園」の銘板や、モンゴル東部の「池 田平和記念公園」の記念碑などに、この言葉が刻まれている〉  『新・人間革命』は、私と尊き同志の皆様方が、ともどもに、平和と正義を勝ちとって いく「勝利の叙事詩」である。  これからも、書きに書きまくっていく決心である(大拍手)。  信頼を広げよ  「光栄にも、このほど、皆様の代表として、モンゴル国立科学技術大学より、私に「名 誉人文学博士号」が授与されることとなった(大拍手)。  〈授与式は10月29日、同大学のバヤンドゥーレン・ダムディンスレン学長らが出席 し、創価大学で行われた。これで、名誉会長に、世界の大学・学術機関から贈られた名誉 学術称号は「245」となった〉  モンゴルに深い思いを寄せておられた日蓮大聖人も、どれほど喜んでくださることか。  こうした栄誉は、仏法を基調にした人間主義への大いなる期待にほかならない。広宣流 布の道が開けている証左でもある。  また世界の各都市からの名誉市民称号も、まもなく「600」となる(大拍手)。  創価の師弟は、全世界に信頼と友情を広げている。だからこそ、厳然と、後世に輝く歴 史が残っていくのである。  歩きに歩いて  一、ここで御聖訓を拝したい。  「一切衆生が法華経を誹謗して(不幸の道を)流転するのを見抜いたゆえに、(それをと どめるために)日蓮が日本国を経行して(=歩いて)南無妙法蓮華経を弘通している」(御 書816ページ、通解)  鎌倉の周辺だけではない。「日本国」である。  大聖人は「日蓮は、この法門を語ってきたので、他の人とは違って、多くの人に会って きた」(同1418ページ、通解)とも仰せである。  大聖人御自身が、歩きに歩き、人と会って、法を弘められた。行動こそ仏法の魂である。  一方、こうした地道な行動を馬鹿にし、地位や学歴を重んじて虚栄を張る弟子を、大聖 人は厳しく戒められた。都にのぼり、貴族主義の軟風に染まった弟子に対して、大聖人は 叱咤されている。  妙法の世界に、学歴や肩書は関係ない。きちっとした信心即生活を貫いていく人が、最 も偉大なのであり、最後は勝利者となるのである。  迫害を打ち破れ「道」を切り開け  一、大聖人は仰せである。  「どのような大善をつくり、法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の観念観法の道 を得た人であっても、法華経の敵を責めなければ、もうそれだけで成仏はないのである」 (同1494ページ、通解)  大事な一点である。  私は、民衆を苦しめる敵と戦い、師匠を守り、学会を守り抜いてきた。だれ一人戦わな くとも、私は立ち上がった。  師匠が中傷されているのに、陰で嘲笑っている人間もいた。師匠を苦しめた悪い人間も いた。いずれも、厳然たる仏罰を受けている。  昔の学会は、財政的な基盤もなかった。無理解や偏見のなか、周囲から蔑まれ、責めら れる。その烈風のなかで、私は師匠を守ったのである。  戸田先生に仕えた私のように、今、学会を守り抜く本物の一人がいるかどうか。それが 一切を決する。  今の時代は恵まれている。同志も増えた。あらゆる面で、基盤も整っている。  しかし、そうした環境に甘え、戦う心を失ったならば、学会は発展していかない。まる で"貴族仏教"のように、堕落していってしまう。  迫害を恐れずに、迫害を呼び起こして、叩ききっていく。そのなかで、根本的な広宣流 布の道、平和と幸福の道ができあがるのである。  原野を切り開かなければ、道はできない。私は道をつくってきた。大聖人の仰せ通り、 戸田先生の仰せ通り、一分も違えずにやってきた。その勝利が、今日の学会を築いたので ある。  偉大なる仏意仏勅の学会である。学会のことを、表面的に分かったつもりになって、見 下したり、軽んずることが、どれほど愚かであるか。傲慢になって威張り、ずるく立ち回 る人間に、清浄な世界を汚されてはならない。  ともあれ、時代は、どんどん進んでいる。若い人の時代だ。未来は、青年に託す以外に ない。  青年が、すべての突破口を開く言論戦の先頭に立っていただきたい。  青年部、頼むよ!〈「ハイ!」と力強い返事が〉     (下に続く) 新時代第23回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上〔完〕