2009年2月2日付 聖教新聞 全国代表幹部協議会での名誉会長のスピーチ 下−1 皆に勇気を 心ひとつに 健康第一で 君よ勝利の名指揮を頼む 信心は乱世を勝ち抜く力 苦労なくして成長なし! 臆病という「心中の賊」を打ち破れ 難の時ほど燃え上がる 師弟不二こそ常勝の魂! アメリカの詩人ディキンソン  もっと素晴らしくなれる力を私たちは持っているのです! 一、きょうは、女子部の池田華陽会の代表も参加されている。  広宣流布の未来を思う時、皆さんの使命は、あまりにも大きい。  19世紀のアメリカの女性詩人エミリ・ディキンソンの言葉を贈りたい。  「もっとすばらしくなるべき力を私たちは持っているのです」(T・H・ジョンスン著、 新倉俊一・鵜野ひろ子訳『エミリ・ディキンスン評伝』国文社)  皆さんには、人間革命の哲学がある。妙法という限りない力を持っている。  アメリカの詩人が創造の翼を大きく広げたように、希望と勇気の大叙事詩を、一生涯、 心豊かに綴っていっていただきたい。  心して強盛な信心に立て!  一、現実の社会は厳しい。しかし、その中で勝ち抜いてこそ、新しい道は開かれる。  戸田先生は言われていた。  「今は、日本の国始まって以来の乱世といってもよい。  心して、強盛な信心に立て! 時代の波に、絶対に足をすくわれるな!」  信心こそ、乱世を勝ち抜く力である。  混迷の時代ほど、ますます信心根本に、地に足をつけて前進しよう! いいね!〈「ハ イ!」と力強い返事が〉  世の中には、卑劣な人間がいる。狡猾な人間もいる。恩を仇で返す人間すらいる。  悪は結託する。巧妙に陰で動き回る。  そうした悪人に誑かされてはならない。本質をはっきり見抜かなければならない。  戸田先生の人生も、悪意の勢力との闘争であった。絶体絶命の時さえあった。それでも 先生は、厳として言われた。  「この身を広宣流布の大願のために叩きつけるという、私の覚悟は、今も、これからも、 微動だにしない!」  すごい言葉である。  何のための人生か。その原点を忘れない人は強い。揺るがない。屈しない。  「"周りから、何だかんだと悪口されるのは嫌だ"などと思えば、戦いは負けである。戦 わずして、臆病という、心中の賊に敗れているのだ」  これも、先生の非常に深い哲学である。とくに、幹部が心すべき急所といえよう。  不惜身命の魂  一、日蓮大聖人は、「不惜身命」の精神を門下に教えられた。  指導者に、その深き精神がなければ、魔に信心を食い破られてしまう。魔の跳梁を許せ ば、どれほど多くの純真な友が苦しむか。  広宣流布の指導者の責務は重大である。  惰弱になるな!  増上慢になるな!  愚かな虚栄に惑わされるな!  これが、仏法の厳しき戒めである。  日蓮大聖人は仰せである。  「第六天の魔王が、私の身に入ろうとしても、かねての用心が深いので身に寄せつけな い。ゆえに、天魔は力及ばずに、王や臣下をはじめとして良観などの愚かな法師たちに取 りついて、日蓮を怨むのである」(御書1340ページ、通解)  ここに、迫害の構図がある。  魔は権力者たちに「悪鬼入其身」する。  同志の絆を断ち、和合を破ろうとする。  魔を打ち砕くには、信心で立つのだ。敢然と、師弟不二の心で立つしかない。  この一点を、後継の青年部は、よくよく、わが生命に刻みつけてもらいたいのだ。  難の時こそ、師が開いた道を、師の教え通りに、「先生! 先生!」と胸中で叫びながら 進む。そうやって私は、あらゆる障魔を勝ち越えてきたのである。  一、戸田先生は、婦人部の友に語られた。  「一途に、まっすぐに、御本尊を信じ切っていくのだ。  『信』の一字をもって、御本尊に信用される自分になるのだ。  そして、私と一緒に邪悪と戦おう!」  私の妻も、戸田先生の弟子として、「信」の道を、まっすぐに歩んできた。  戸田先生が地方へ行かれる時、また帰京の時、駅や空港に見送りや出迎えに行くのも、 私の妻であった。どんなに朝早くとも、夜遅くとも、妻は、その姿勢を貫いた。  一途に仕える弟子の心を、先生は喜び、信頼してくださった。  私が第3代会長に就任した日。  妻は、「きょうは、池田家のお葬式です」「きょうから、わが家には、、主人はいなくなっ たと思っています」と、毅然たる口調で語っていた。  また大難の嵐の中、私が会長を辞任した時には「ご苦労さまでした」「これで、世界中の 同志の皆さんのところへ行けますね」と笑顔で語る妻であった。  辞任の後、私は妻とともに神奈川へ向かった。そこから世界につながる港を望んだ。  夫婦して、戸田先生に捧げた人生である。  ゆえに、何があっても、動じない。変わらない。  ただただ、師匠のため、同志のために──これが、真実の弟子の道なのである。  「関西には異体同心の信心がある」  一、戸田先生は叫ばれた。  「戦いというものは、自分でつくるものだ。それを乗り越えていくのも、ほかならぬ自 分である。困難を避ける人間には、何もできない」  難の時ほど燃え上がる──これが、学会精神だ。正義の精神である。  国家権力の陰険なる弾圧を受けた、昭和32年(1957年)の「大阪事件」。  不当逮捕され、2週間後、出獄した私に、戸田先生は言われた。  「関西の同志は、大作と一緒に難に立ち向かった。他人事のように感じていた者など一 人もいなかった。皆が怒りに胸を焦がし、悪を打ち砕かんと必死に戦った。素晴らしい団 結だ」「関西には、絶対の『異体同心』の団結の信心がある。だから強いのだ」  先日、その関西から、一足早い春の便りが来た。奈良の青年部が、懐かしい若草山を描 いた屏風を届けてくれたのだ。  健気な奈良の同志は、幾多の試練を乗り越えて戦ってきた。  初代支部長・婦人部長の有馬猶二郎さん・のぶさん夫妻の家の塀には、ペンキで大きく 悪口を落書きされた。  しかし有馬さんは、それを「誇り」と言って、あえて消さなかった。  さらに奈良の友は、宗門の坊主からも、いじめられた。どれほど悔しい思いをしたこと か。まさに恩知らずの畜生の所業であった。  それでも、奈良の同志は、絶対に負けなかったのである。  奈良の若草山は、年に一度、「山焼き」を行う。  焼くことで、害虫を除き、ほかの植物の侵入も防ぐ。枯れ草を焼いて、次の芽生えを促 す。そうして、新鮮な春の緑野が輝くのである。  難を乗り越えた奈良にも、春の若草山のごとき、みずみずしい、希望の人材のスクラム が広がっている。  とくに、聖教新聞の拡大は、大関西を力強くリードし、全国の模範と輝いている。  後継の青年部も、陸続と育ってきた。  「奈良の勝利の春、万歳!」と申し上げたい(大拍手)。 全国代表幹部協議会での名誉会長のスピーチ 下−2に続く 2009年2月2日付 聖教新聞 全国代表幹部協議会での名誉会長のスピーチ 下−2 信心は乱世を勝ち抜く力 苦労なくして成長なし 臆病という「心中の賊」を打ち破れ 難の時ほど燃え上がる 師弟不二こそ常勝の魂! 戸田先生  時間を浪費するな 勝つために、今一番大事なことを最優先せよ! 創価の道は「対話・哲学・智慧の道」  一、現在、私は、ナポレオン家の当主シャルル・ナポレオン公と対談を進めている。  ナポレオン公は、ナポレオンの末弟ジェロームの直系の子孫である。  〈対談は「21世紀のナポレオン──歴史創造のエスプリ(精神)を語る」と題し、月 刊誌「第三文明」1月号から連載中〉  先日も、次のような連絡をいただいた。  「二〇〇九年の開幕に寄せて、池田会長が世界のSGIメンバーに贈られた感銘深いメ ッセージを、私も拝読させていただきました。  その中で、会長は『人類の持続可能な発展のため、永続的な平和のため、今こそ、新し き変革の道を進みゆく勇気と希望が必要です』と呼びかけられ、世界を結ぶ『対話』と『哲 学の実践』を強調されています。  私自身、ここ数年、哲学的な知恵の道を進みたいと、思索を深めてきました。だからこ そ、私は池田会長の理念と哲学に心からの共感を抱いてやまないのです」  私のことはともかく、世界の知性が深い共感を寄せる「対話と哲学と智慧の道」が「創 価の道」である(大拍手)。  〈ナポレオン公は、こうも述べている。  「会長は、メッセージの中で、青年に対して深い期待と信頼を語られています。池田会 長ほど、青年を愛し、青年を信じ、青年を鼓舞される指導者を、私は知りません」〉  運命を開くのは自分自身!  一、さらに、青年のため、未来のために語り残しておきたい。"仏道修行だ。過去に遊ん だ分を取りもどそう"(笑い)と思って、心して聞いていただきたい(大拍手)。  戸田先生の若き日の日記から、後継の皆さんに贈りたい。  大正11年(1922年)の春、22歳の日記。  先生は、「僕の運命を開いた大なる力は自分であった」と記されている。  そして、こう決意を綴られた。少々難しい表現なので、わかりやすく紹介したい。  ──自分を支配する者は自分である。心意気も、自分自身の中にある。自分を生かすも 殺すも、自分次第である──  またある時、恩義を受けた方への感謝を、こう綴られている。  ──私は、厚意を心肝に染めたのである。  志を立てずして、偉業を成し遂げずして、この恩に報いることはできない──  恩を知り、恩に報いることこそ、「人間の道」であり、「仏法の道」である。信頼の心通 う社会を築きゆく方程式なのである。  人生には、さまざまな恩がある。その中でも大切な一つが「師恩」である。師への報恩 に、私は生きてきた。  師匠の精神を踏みにじる人間を見ても、自分だけいい子になって戦わない。声もあげな い。そんな臆病者は、弟子ではない。  師の心をわが心として戦うのが弟子だ。  御聖訓には「おのおの日蓮の弟子と名乗る人々は、一人も臆する心を起こしてはならな い」(御書910ページ、通解)と仰せである。  弟子と名乗るならば、何があろうと正義を護る、気迫と行動がなければならない。口先 だけでは、言葉の遊びにすぎない。  イギリスのロマン主義の文人ハズリットは警告している。  「困難を克服する努力あってはじめて人は何事かに秀でる。苦労せずに成功するように なると、以前よりも真面目さが減ってきて、完成に向かう歩みが止まってしまう」(中川誠 訳『ハズリット箴言集──人さまざま』彩流社)  苦労なくして成長はない。苦労をも喜びとする皆様であっていただきたい。  電光石火で勝て  一、栄光の学会創立80周年の峰は、間近に見える。「青年・勝利の年」を晴れやかに飾 りゆくために、最後にもう一度、戸田先生の指導を拝したい。  先生は、戦いに臨んで、ぼやぼやしている人間には、こう叱咤された。  「時間を浪費するな! 勝つために、今一番大事なことは何か。それを見極め、最優先 せよ!」  電光石火のスピードで勝つのだ。  勝利から逆算する──かけがえのない今この時に、何をすれば一番、価値的か。それを 明確にして、「黄金の自分史」を綴り残していただきたい。  先生は鋭く言い放たれた。  「いかなる組織も、内輪もめをするたびに弱くなり滅びていく。ゆえに、団結こそ根本 なのだ!」  師弟不二の歯車に、わが心のギアを、がっちりと、かみ合わせ、皆が力を合わせてこそ、 勝利は輝く。  心一つに進むのだ。  あの剛毅な、師子のごとき戸田先生が、晩年、私に、しみじみと語ってくださった。  「おまえを弟子にして、おれは本当に幸せだった」と。  あの一言は、忘れることができない。これ以上の誉れはない。  先生は、時を同じくして集い合った広布のリーダーたちに、こう呼びかけられた。  「私は、広宣流布のために、一身を御本尊に捧げる決意をしている。同じ決意を分かと うという人は、どこまでもついてきなさい。  その決意のもとに、大いに戦おうではないか!」  師と同じ心で、不惜身命で勝ち進んだからこそ、192カ国・地域に広がる、今日の世 界的な学会がある。  今再びの前進を、よろしくお願いします!  私は、全同志のご健闘、ご健康、無事故、そして勝利を、毎日、夫婦で祈っています。 第3代会長になった時から、ずっと祈り続けています。  長時間、ご苦労さま! ありがとう!  〈ここで、名誉会長は、戸田先生が大好きだった父子の決意の曲"大楠公"をピアノで力 強く演奏した〉  この1年も、一緒に進もう!  皆に勇気と希望を贈る、勝利の名指揮を頼みます!(大拍手) (2009・1・27) 全国代表幹部協議会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕