2009年2月17日付 聖教新聞 新時代第26回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下−1 青年よ正義を叫んで勝ちまくれ 平和へ!我が師に捧げた60年 アメリカのリンカーン大統領の信念 常に民衆と共にあれ 戸田先生 「太陽の仏法」で悩める友に光を! 君よ新たな栄光の鐘を鳴らせ 青年勝利の春へ 座談会から出発 米国の識者 座談会は「幸福な社会」の基盤を築く 一、戸田先生の目は、世界を見ていた。心は全人類に向けられていた。  先生は、力を込めて語られた。  「大聖人の仏法は、太陽の光のようなものである。妙法を持って絶望の淵から立ち上が り、生き生きと蘇生した無数の同志がいるではないか!」  妙法こそが、人類の宿命転換を可能にするのだ。ここに、平和を築く創価学会の使命が ある。  振り返れば、昭和25年(1950年)8月29日。戸田先生の会社の営業停止が決定 した直後、22歳の私は、日記に綴った。  「戸田先生より『君を頼る』との力強き激励を受ける。  誰よりも、信頼し、期待をかけられし自分を、心から歓ぶ。  先生の激励に応え、再び、世紀の鐘を、私が鳴らそう。  先生より、離れる者は、離れろ。  若き戦士となり、若き闘士となって、先生の意志を、私が実現するのだ」  師のもとで固く心に誓った、あの苦闘の青春の日々から60年。  わが師の構想は、すべて実現した。  "戸田大学"の卒業生として、「250」に及ばんとする名誉学術称号も拝受した。  これが師弟である。  「世紀の鐘」を私は鳴らした。  新しき「勝利の鐘」「栄光の鐘」は、わが青年部が鳴らすのだ。  青年、頼むよ!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉  仏法を基調に、平和・文化・教育の光を広げる、これだけの大団体、正義の教団は、世 界にない。  今や創価の前進を、多くの識者が、期待を込めて注目している。  皆さんは、自分が考えるよりも、はるかに偉大な使命がある。すごい時代に入っている のである。  こうした学会の発展も、嵐を越え、寸刻を惜しんで、わが身を犠牲にする覚悟で戦った からこそ築かれた。  青年は恵まれた環境に甘えてはならない。  虚名を振りかざし、威張るだけの人間。他人まかせの横着千万な人間。そうした愚者に なってはならない。  時代の最先端!  一、アメリカの著名な仏教研究者、クラーク・ストランド氏は、創価学会の「座談会」 運動を高く評価されている。  一流の目は鋭い。  座談会に出席している人?〈「ハイ!」と会場から返事が〉  全幹部が率先して、座談会を、一段と、もり立てていきたい。  皆が生き生きと集う座談会こそ、学会の誉れの伝統である。  一番地道で、一番自在に、最大の喜びを輝かせていける。  ストランド氏は次のように述べている。  「体験の共有は信仰を深め、信仰は人生を深める。そうして深められた人生が、やがて 社会を変革していく」  座談会には、一方通行の説教ではなく、平等な対話がある。あくまでも「一人」の幸福 に焦点を当て、生命の尊厳を謳い、幸福な社会の基盤を築いている  ──こうもストランド氏は指摘する。  座談会に新しい宗教の姿がある。時代の最先端である。ぞのように世界の知性が驚きを もって見つめている。  伝統の2月を飾り、希望の春を開く「青年・勝利座談会」の大成功を祈りたい。  働く人は美しい  一、人類初の宇宙飛行士といえば、ロシア(旧ソ連)のガガーリンである。  「地球は青かった」との有名な言葉を発した彼は、こうも述べている。  「この地球で最も美しいものは、働く人の姿である」  懸命に働く人は美しい。我々は、日々の生活を送りながら、広宣流布に働いている。そ れこそ、一番美しい姿なのである。  ともあれ、苦しく、激しく、厳しい不況が始まった。どうか皆さんは、誇り高く、悠然 と戦ってください!皆、苦しいのは同じだから!  社会部の皆様の健闘を祈ります。  わが使命の舞を同志とともに、雄々しく舞っていただきたい。  正邪を峻別せよ  一、私が青春時代から大好きだった、イタリアの大詩人ダンテ。  彼は書き残した。  「善き事に対して悪しき証言を為すものは、誉れでなくて汚辱を受くべきであろう」(中 山昌樹訳『ダンテ全集第6巻』日本図書センター。現代表記に改めた)  ダンテは、先人の善行を、後世の人間が汚すことを戒めた。  善いことをしたのに、かえって悪く言われる。これほど、おかしなことはない。そんな ことがまかり通れば、社会は混迷するばかりである。  善いことは、讃えるべきだ。善い人は、賞讃するべきだ。これが、よりよい社会を築く 正しい道である。  しかし現実は、悪人によって、善人が陥れられ、いじめられ、追放されている。  ダンテは激怒した。  誰が何と言おうと、私は悪人を許さない! 断じて見逃さない!  傍観。偽善。中傷分裂。忘恩の裏切り──世をむしばむ陰険邪悪を断罪せよ!  悪事を為した者は、厳しき報いを受けよ!  これがダンテの血涙したたる叫びだったのである。  私もまた、わが恩師を悪口し、中傷する者とは、徹して戦った。  ひとたび師匠と決めたならば、尽くすべきである。護るべきである。そう私は心中深く 決めていた。  悪を見逃して、戦わない。それでは、弟子ではない。同志とはいえない。  あのダンテのごとく、正邪を峻別する大闘争心を、新時代のリーダーは、わが胸に燃や していただきたい。 使命の舞をわが同志と 英国の作家 人のために 手 頭 心を働かせよ  師子王の心で悪を破折せよ  一、女性の門下である千日尼に贈られた、日蓮大聖人の御言葉を拝したい。  「法華経の師子王を持つ女性は、一切の地獄・餓鬼・畜生などの百獣に恐れることはな い」(御書1316ページ、通解)  妙法を持った皆様は、何も恐れる必要などない。また、絶対に恐れてはならない。  なかには頭の固い男性(笑い)や、信心に無理解の人間にぶつかる場合もあろう。そう いう時は、聡明に、智慧をめぐらせ、一歩一歩、正義を知らしめていけばいいのである。  皆様こそ「法華経という師子王」を持つ女性なのだ。  男性よりも、むしろ女性のほうが、勇気をもって、正義を語り抜いている──そう讃え る人は多い。  ずるくて臆病な男性は、いざという時、頼りにならない──そうした厳しい声もある。  ともあれ、人権を踏みにじる言葉は、言論の自由ではなく「言論の暴力」だ。断じて放 置してはならない。  間違ったことに対して正義を訴えるのは、当然の権利だ。これがなくなれば、民主主義 は崩れる。  悪は断じて破折する。その気概で進んでいただきたい。 新時代第26回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下−2に続く 2009年2月17日付 聖教新聞 新時代第26回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下−2  苦難があるから偉大になれる!  一、戸田先生が、私たち弟子に読ませた小説『永遠の都』。  その一節を、若い皆さんのために、ご紹介したい。  「受難は人間の魂を浄化する聖なる炎であります」(ホール・ケイン著、新庄哲夫訳、潮 文庫)  難が人間の魂を清めてくれる。高めてくれる。  これが、若き革命児の確信であった。  大聖人は"身命を捨てるほどのことがあってこそ仏になる"と教えられている(御書89 1ページ)。  広宣流布に立ち上がった我らにも、大難は必定である。しかし、難があるからこそ、仏、 になれるのだ。  だから、どんなに大変でも、これも仏になるための修行と思って頑張りなさい──。  そう戸田先生は言われたかったにちがいない。  「高慢はつねにきわめて悪い」  一、イタリアの大詩人ダンテいわく。  「善人は常に善人と室をおなじうする」  「咎あるものと共なるなかれ  彼らの味方となることは嘗て知恵でなかったがゆえに」(中山昌樹訳『ダンテ全集第4巻』 日本図書センター。現代表記に改めた)  善人は善人とともにいるものだ。悪人と一緒になるな。悪に味方するな──詩人の戒め は時を超えて響く。  我らは善人とともに進もう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉  フランスの哲学者デカルトは述べている。  「高慢はつねにきわめて悪い」  「この悪徳は、きわめて不合理なばかげたものである」(野田又夫訳『方法序説・情念論』 中公文庫)  高慢な人間は、力がないのに威張る。偉大な人に対して、尊敬できない。感謝もない。 それどころか、焼きもちを焼いて憎む。  これこそ、よき世界を壊す元凶である。  そういう人間に使われてはいけない。信用してはいけない。本質を見抜く目を持ち、利 口になるのだ。  勇者の、心意気  一、イギリスの大詩人シェークスピアは、皆さんも、よくご存じだと思う。  彼は戯曲に綴った。  「私は誇りをもって言おう」  「われわれは泥まみれに働く勇士たちだ」  「だが、われわれの心意気は華やかに飾られているぞ」(小田島雄志訳『シェイクスピア 全集5』白水社)  この心意気でいこう!  広布へ戦う同志こそ勇者だ。指導者は「いつも、ありがとうございます」と心から感謝 し、讃えるべきだ。同志に尽くすために、指導者はいるのだ。  私も、泥まみれになって働いてきた。人知れず、勝利へのあらゆる手を打ってきた。  今こそ、若き指導者が、生まれ変わった決意で、民衆こそ王者と胸を張れる社会を築い ていただきたい。  真の幸福とは 真の美しさとは  一、イギリスの作家・詩人であるハーディといえば、今の日本では、なじみが薄いかも しれないが、世界的に有名である。  19世紀から20世紀、時代に先駆ける名作を残した。代表作の一つが『テス』である。  主人公はテスという名の美しい女性。貧しい家の娘である彼女が、運命に翻弄される悲 劇を描いている。  戸田先生は、この作品を華陽会の教材に取り上げられた。  真の幸福とは何か。それは、虚栄に惑わされては、つかめない。自分らしく、自分自身 に生ききれと、先生は教えられた。  『テス』の中に、こういう言葉がある。  完全な女性というのは、「怠け者とか、りっばに着飾った貴婦人とかでなく、他人の幸福 のために、手と頭と心とを働かせる人」なのである、と(井上宗次・石田英二訳、岩波文 庫)。  他人の幸福のために、創価学会の婦人部と女子部は働いている。同苦し、励まし、祈っ ている。その姿こそ、一番美しい。  どんなに外見を飾っても、清らかな心がなければ、真の美しさは輝かないのである。  一、戸田先生は、法難に殉じた師匠を偲んで語られた。  「牧口先生は、毅然たるお方であった。大きな巌のような、押しても突いても動かない お方であった。その牧口先生を、私は、がっちりとお護りし抜いてきたのです」  戸田先生もまた、毅然たる、巌のごとき信念を貫かれた。  牧口先生の偉大さを、断じて世界に宣揚してみせる──これが戸田先生の烈々たる誓願 だったのである。  私も、わが師を最高の偉人として晴れの場で宣揚したい──そう決意して生きてきた。  今、創価の師弟は、平和・文化・教育の希望として、世界中から賞讃されている。  師弟の関係について、戸田先生は、こう綴られている。  「師(先生)と弟子(生徒)の交わりは、水と魚のように切っても切れない深いもので あります。  師は弟子を愛し導き、弟子は師を敬い慕う──これほど世にうるわしい情愛がまたとあ りましょうか」(現代表記に改めた)  師弟ほど尊いものはない。美しいものはない。  これが戸田先生の青年へ.の教えであった。  師弟の真髄を語り残したい  一、アメリカの第16代大統領リンカーン。今年は生誕200周年である。〈1809年 2月12日生まれ〉  リンカーンは、こう述べている。  「抗議すべき時に沈黙する者は、卑劣な人間となってしまう」  不滅の叫びである。  若き皆さんは、断じて、卑劣な人間になってはならない。  青春時代、私は、わが師が誹謗されれば、どこへでも、抗議へ行った。堂々と師の正義 を訴え、虚偽や偏見を正していった。  これが弟子である。  「真実は、中傷批判に対する最高の弁明である」とは、リンカーンの信念であった。  勇気の心で真実を叫び切っていくのだ。  さらにリンカーンの言葉を紹介したい。  「常に、民衆と共にあれ!  民衆は、常に正しく、人を欺いたりはしないのだ」  幸福を願う民衆。  平和を求める民衆。  その声こそ正義だ。  苦しんできた民衆が立ち上がり、権力悪と戦い、人間主義の世界を広げてきたのが、創 価学会である。  仏法史に輝く、奇跡ともいうべき、善のスクラムを築いてきた。  この麗しき和合を永遠に護れ!  邪悪な人間に断じて崩されるな!  後継の皆さんに強く叫んでおきたい。  私は80歳を過ぎた今こそ、戸田先生の真髄、牧口先生の真髄、仏法の真髄を語り残し たい。  皆様も、この崇高な創価の師弟に続いていただきたい。〈会場から「ハイ!」と力強い返 事が〉 恩師のもとで学んだ革命小説「永遠の都」 「難は人問の魂を輝かせる炎」  「女子部、婦人部は、くれぐれも夜遅くならないように。  皆で、朗らかに、健康で進んでいこう!  では、以上をもって終了します。一緒にお題目を唱えたい。  〈ここで名誉会長の導師で唱題を行う〉  長時間、ご苦労さま! あとは、ゆっくりと、自由に、有意義に過ごしてください。  海外の皆様も、本当にありがとう! お体を大切に。一生懸命、お題目を送ります。心 から感謝します。  音楽隊、合唱団も、ありがとう!(大拍手)  (2009・2・11)  ※編集部として、名誉会長の了承のもと、時間の都合で省略された内容を加えて掲載し ました。 新時代第26回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕